薄毛について悩む男女

不思議なことに、洋の東西を問わず、人間という生き物は嫌な現実は見たくないものなのだそうです。そのため、最近、抜け毛が増えてきたかなと思っても、薄毛になるのは嫌だからと、知らないふりをしているという人も多いのでしょう。
それでは、何の解決にもつながらないわけですが、ついつい、現実から逃避してしまう気持ちは分かります。

しかし、放置すれば、放置してしまった時間の分だけ、薄毛は進行し、最終的には治療が難しくなってしまいます。
そうならないためにも、判断の助けとなる薄毛の基準が気になるところです。

薄毛には明確な判断基準は存在しない

基準が欲しいと感じながらも、残念ながら、薄毛について明確な基準というものは存在していません。
というのも、まず男女で薄毛の進行の仕方が違いますし、個人差まで考えると、基準となる値が見つけられないからです。
生まれつき髪の毛が細い人もいれば、おでこが広い人もいますし、抜け毛の数も小さいころからほかの人よりも多いという人もいます。

そのため、薄毛かどうかを判断するには、それまでの自分の髪質と比べて、自己判断をするしか方法がありません。
自分で髪が薄くなってきたかなとか、生え際が後退してきたかなと感じて、薄毛になったと気づき、自覚した時が薄毛の判断基準だと言えるでしょう。
誰かに指摘されて気が付くという事も考えられますが、告げられたとしてもその通りだとは思わないかもしれませんし、やはり自分次第という部分はあります。

1つ言える事は、気になり始めたら、すぐにでも薄毛対策を行った方が良いという事です。
特に男性の場合、薄毛は放っておいて改善されるものではありません。対策をしなければ、着々と薄毛が進行することになります。

昔の自分と比較する

ある時を境にして、いきなり髪がごっそり抜けたというのであれば、判断はしやすいと思うのですが、残念ながら薄毛は徐々に進行するため、なかなか気が付かない人も多いと思います。
ですから、進行しているかどうかを見るために、昔の写真と今の状態を比べてみるといいでしょう。
何なら定期的に写真を撮っておくとわかりやすいとは思いますが、面倒ではありますし、そこまでする必要はないかもしれませんね。

抜けた毛が細いか、太いかでも、判断することは可能ではあります。
脱毛症になると、髪の成長途中で抜けるようになりますから、抜けた髪が細くなるのです。しかし、髪の太さには個人差がありますから、以前の自分の髪の太さを知らないと判断は難しいかもしれません。

抜けた髪の毛の量で見る場合でも同様に、以前の状態と比較する必要があります。
薄毛の始まりとして、男性ならば額の生え際や頭頂部、女性なら分け目に現れやすいですから、写真を見て比べるときには、注意して見てみるといいでしょう。

人から薄毛だと判断される基準は?

薄毛の基準はありませんが、他の人からどう見られているのかというデータはあります。
ある会社の実態調査では、おでこが広いとハゲているの境界は、眉山から髪の生え際までを直線で結んだ距離が6~7cmだと結論付けました。
6~7cmよりも長いと、ハゲだと思われる可能性が高いという事ですね。

それから、クリニックで薄毛かどうか判断するときに使われるものもあります。
まず耳の一番高いところから、頭頂部にまっすぐ線を伸ばします。
その線を中心に、幅2㎝以内に生え際があれば、M字ハゲになるというものです。

クリニックで使われているため、信頼性が高い部分もありますが、例えこの方法でM字ハゲだと診断されたからと、絶対に将来禿げるというわけではありませんし、薄毛が進行するというわけでもないのだそうです。

大事なことは早めの対策

自己判断するしかなく、自分は薄毛ではないと思いたい気持ちはわかりますが、現実から目をそらしても薄毛が進行するだけです。
進行した薄毛をどうにかしようと思ったら、お金も時間もかかりますし、現実を見て早めの対策をすることをお勧めします。

薄毛や抜け毛に気が付いた時の対処法とは?

抜け毛にショックを受ける男性

まだ20代だから薄毛とは無縁と考えている人もいるかもしれませんが、近年そうもいっていられない人も増えてきました。
もしも20代にして抜け毛や薄毛に気が付いてしまったら、まずはどうしたらいいのでしょうか。若年性脱毛症の場合、ちょっとしたことで改善する可能性もありますから、放置しないで行動してみましょう。

生活習慣を改善する

男性の脱毛の場合、男性ホルモンが変化したジヒドロテストステロンが原因で薄毛になるのが、主になります。
その変化のしやすさは、遺伝などが関わってくるため、どうしようもないことが多いのですが、若年性脱毛症の場合には少し話が変わってきます。
遺伝もありますが、別の要因で薄毛が促進されている可能性がありますし、そもそもホルモンは無関係かもしれません。

そこで薄毛や抜け毛が気になるようになった、今から少しでも対策しておきたいというときには、まず生活習慣を見直してください。
生活習慣の乱れで体調を崩すというのは簡単に想像できると思いますが、体調が崩れるという事は、髪にも悪影響があります。
例えば、過度なストレスは血行を悪くしますから、頭皮に十分血液(栄養)が行かなくなりますし、外食などで栄養が偏れば正常に髪も作れなくなります。

運動不足で肥満になったら、血液がドロドロになりますし、睡眠が十分でなければ髪がちゃんと修復されず、抜け毛や切れ毛が起こりやすくなってしまいます。
こういったちょっとしたことでも、積み重なれば着々と薄毛を進行させていきますから、まずは自分の生活の改善できる部分から改善してみてください。
若年層で進行が初期段階であれば、それだけで解消されるかもしれません。

頭皮環境を良くする

生活習慣と同時に気を付けたいのが頭皮環境の改善です。
簡単に言えば、頭皮を清潔に保ちましょうという事ですが、これも馬鹿にはできません。
頭皮環境が悪ければ、皮脂や汚れで毛穴がふさがれてしまいます。

塞がれた毛穴からは、なかなか髪は生えにくいですし、成長もしにくいです。
髪を洗ったつもりでも、頭皮の汚れが落ちていなければ意味がありませんから、正しい洗髪が必要になります。
それから、綺麗だったらいいんだろうと、何度もシャンプーをするのは逆効果です。

皮脂は増えすぎれば毛穴を塞ぐ原因になりますが、基本的には皮膚を守るためのものです。
髪を洗いすぎると、今度はこの皮脂が無くなり、汚れが直接頭皮に突きやすくなります。
それから、皮脂を落としすぎると、今度は足りなくなった分の皮脂を補おうと、過剰に分泌しだしますから、結果増えてしまうのです。

また頭皮の状態や強さは人それぞれです。ですから、それぞれ自分に合ったシャンプーがあり、逆に合わないシャンプーがあります。
合っていないものだと、頭皮に対して悪い刺激になり、炎症や湿疹などを引き起こして抜け毛の原因になるかもしれません。
使っていて違和感があればすぐに使用を中止してください。

シャンプー以外でも、カラーリングやパーマ、紫外線と言ったものは、頭皮と髪にダメージを与えます。
頭皮がボロボロになれば、薄毛が進行するのはもちろんの事、髪にダメージを与えすぎると今度は髪自体が抜けやすくなりますから注意が必要です。
ただ、髪のダメージ自体は新しい髪が生えてくれば問題ないと考えることもできますから、まずは頭皮環境から改善すると良いでしょう。

改善されない場合は病院に行く

薬の副作用が病気が原因でなる薄毛だと、セルフケアは無理なので病院に行ってください。急に髪が大量に抜けたとか、いきなり薄毛になった時は病気の可能性があります。
そうでなくても、対策してもなかなか改善されない時や、すでに薄毛がかなり進行している場合には、専門病院やクリニックに行くことをお勧めします。
一般の病院に行くときには、皮膚科を選ぶと良いですが、薄毛の治療をしてくれるかを事前に確認しておきましょう。

専門病院などでは、丁寧に検査してくれますから、ケアの方向性が見えてくると思いますし、症状に合った薬を処方してくれるはずです。
ただし、薄毛治療は保険が効きませんから注意してください。

育毛剤だけだと薄毛対策にならないかも

薄毛になったら育毛剤を買うという人が、少なからずいて、決して悪い事ではありません。ですが、より効果を高めるため、育毛剤の使用をやめても逆戻りしないためにも、原因となっているであろう生活習慣や頭皮環境には気を配ってみてください。