育毛剤を使いたいけれど、自分で育毛剤を買って使うのを見られるのは恥ずかしいと感じる女性は多いのではないでしょうか。カムフラージュするために、男性用を買ったり、家族が使っているものをこっそり借りてみたりとやっている人もいるでしょう。
しかし、育毛剤には男性用と女性用、男女兼用と分けられていて、それにはちゃんと意味があるのです。
同じような発毛効果のものが多い
分けられている意味があると言いましたが、効果自体は似たようなものは多いです。
例えばすべてにとは言いませんが男性用でも、女性用でも、血行促進や栄養補給を行う成分が入っている事でしょう。
血行不良や栄養不足は、薄毛の原因になり、そこに男女の差はありませんから、男女で同じ部分は効果が重複しています。
そのため、女性が男性用を、男性が女性用を使ったとしても、全く効果がないわけではありません。
中には、男性用の育毛剤で薄毛が解消された、という女性もいます。
だからと言って、男性用の育毛剤を女性が使うというのは、お勧めできません。
たまたま何事もなく育毛できる女性もいますが、育毛するどころか逆に、抜け毛を促進させてしまうかもしれないからです。
配合されている成分から見る違い
同じような効果もありますが、違う部分もあります。
市販の育毛剤に入っていることがまずないとは思いますが、薄毛に効果があると言われている成分にフィナステリドがあります。
男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変えられることで、男性の薄毛は進行するとされていますが、フィナステリドはこの5αリダクターゼを抑制する効果があります。
効果が高く、国からも認められていますが、副作用も強いというデメリットがあります。
例えば、妊娠中の女性が摂取すると、胎児に悪影響を及ぼします。
こういったわけで、女性用の育毛剤にはまずフィナステリドは入りません。
フィナステリドほど強力ではないにしても、5αリダクターゼを抑制する成分が、多くの男性用育毛剤には入っています。
男女兼用のものにも入っていますから、女性が使ってはいけないという事はないと思いますが、女性にとっては不要な成分です。
育毛剤がその成分によって薄められていると考えると、女性が使った場合コストと効果が釣り合わないでしょう。
女性であっても、ジヒドロテストステロンが原因で薄毛になる人がいますが、そもそもテストステロンが少ないため、男性用ほどの効果は必要ありません。
女性用だとこういった成分の代わりに、血行促進や栄養補給などで、頭皮環境の改善に力を入れた成分が入っています。
その他の異なるポイント
今まで話してきたことも、商品次第という面はあります。
これから話すものも、商品によっては当てはまらない部分がありますが、全体として、女性用の方が値段が安いです。
女性用だと5000円以下でも、いくつもの商品の中から選べますし、その中にはランキングで上位に入るような人気商品もあります。
ですが、男性用で同じくらい選べるようになるには、1万円以下と言ったところでしょう。
それから、女性の方が肌が敏感ですから、より低刺激に拘っています。
無添加無香料という商品をよく見かけますし、中にはアルコールフリーというものまであります。
アルコール類は、成分を混ぜるうえでも、頭皮に浸透しやすくするうえでもプラスに働きますが、反面頭皮に対する刺激も強く、人によっては炎症などを起こして逆効果になることもあります。
アルコールフリーでなかったとしても、一般的に男性用の育毛剤にはアルコール類が50~70%入っていると言われている中、女性用は20~30%ほどです。
それから、パッケージに関しても、女性用の方が育毛剤であることがわかりにくくしているものが多いですね。
性別に合わせて育毛剤選びを
男性用と女性用に分けているのにはちゃんと意味があります。
それを無視して使ってしまうと、返って薄毛を進行させるだけという事にもなりますから、理由はともかく性別に合わせて育毛剤を買うようにしましょう。
どうしてもという場合には、男女兼用を買うという方法もあります。
男性型脱毛症対策の育毛剤について
男性が薄毛について調べると、必ずと言っていいほど男性型脱毛症(AGA)に行きつくと思います。
同じように男性用の育毛剤を見ると、AGAを意識したものばかりになるでしょう。
では、AGA対策の育毛剤を使ったとき、頭皮ではどのようなことが起こっているのかを知っていますか。
AGA対策であるならば5αリダクターゼを抑制する
AGAの原因がジヒドロテストステロンであることは説明しました。
つまり、ジヒドロテストステロンを減らすことが出来れば良いわけですが、どのようにしたら減ると思いますか。
テストステロンを減らすというのは間違えた考えではありませんが、男性ホルモンであるテストステロンは男性には必要不可欠なホルモンで、少なくなったらなったで、身体に異変が現れます。
そのため、テストステロンを減らすという育毛剤は存在せず、代わりに5αリダクターゼを抑制することになります。
このことをよく「男性ホルモンを抑制する」と表現していますから、気を付けて見てください。
また男性ホルモンを減らすために、女性ホルモンを投与すると言い出す人がいますが、男性が女性ホルモンを投与すると、それこそホルモンバランスが崩れて、体調が悪くなりますからやめましょう。
病院やクリニックで処方してもらえる薬の成分として有名なのが、フィナステリドです。
5αリダクターゼを抑制する能力は高いですが、副作用もあるため、処方してもらうときには、医師の話をしっかりと聞くようにしましょう。
またデュタステリドという成分も、抑制効果がありますが、フィナステリド同様病院での処方が原則ですから、気軽に手に入れられるものではありません。
市販の育毛剤を購入するとき
薄毛で病院に行くというのは、人によっては難易度が高く、また行く時間がないという人もいるでしょう。
そこで市販の育毛剤です。
フィナステリドやデュタステリドほどの効果は得られないかと思いますが、5αリダクターゼを抑制する成分を含んだものが売られています。
成分表を見てもらって、「亜鉛・緑茶エキス・アゼラリン酸・オウゴンエキス・チョウジエキス・ヒオウギエキス・ビワ葉エキス・グアバ葉エキス」などが入っていれば、AGAに効果があると言えます。
また出来るだけ高濃度で入っていた方が良いですから、成分表の並び順を見てみましょう。
最初の方に書いているものほど量が多く、あとになるほど少なくなりますから、上位に上記の成分がある育毛剤を探してみてください。
基本は薄毛の進行を止めるもの
5αリダクターゼを抑制するというのは、あくまでもヘアサイクルを正常に戻すというもので、こういった育毛剤を使ったからと言って、髪がふさふさになるという保証はありません。
ヘアサイクルが正常になることで、髪が生えてくることもありますが、基本的には現状維持です。
より効果の高い「発毛」を望む場合には、専門のクリニックで受診してみてください。
育毛剤とスカルプエッセンスの特徴や違いをまとめました
育毛剤のサイトを追いかけていると、スカルプエッセンスという言葉を見かけることがあります。
これをなんとなく育毛剤の一種なんだろうなと思っている人もいるかと思いますが、実は明確に育毛剤とは違うのです。
そこで、スカルプエッセンスとは何か、育毛剤とはどう違うのかをご紹介します。
育毛剤とスカルプエッセンスには成分や効果に違いがある?
育毛剤のような商品には、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」と言った区分があります。
それぞれの違いを簡単に言うと、厚生労働省がその効果を認めた成分を決められた濃度配合していると、医薬品か医薬部外品になります。この2つの違いは、配合された成分の効果や副作用の違いだと思ってくれたらいいでしょう。
医薬品の方が効果は高いですが、副作用の危険も高いです。
対してそういった、成分が入っていないものが化粧品です。
一般に育毛剤は医薬部外品に当たり、スカルプエッセンスは化粧品になります。
効果の確実性や、安全性に関して、育毛剤は保障されていますが、それは別にスカルプエッセンスの方が効果がないわけでも、危険なわけでもありません。
それから、医薬部外品が有効成分を記載すればいいのに対して、化粧品は使われた成分をすべて表示する義務があるという違いもあります。
育毛剤の特徴やメリットは
最低限の安全性という面から見ると、スカルプエッセンスよりも高いと言えます。
国が効果があると認めた「有効成分」の中でも、効果が緩やかで副作用が少ないものが、医薬部外品になりますから、ある意味国がその安全性を保障しているわけです。
とはいえ、全く副作用がないわけでもありません。
育毛効果に関しても、厚生労働省のお墨付きではありますが、効果が高いわけでも、絶対に効果があるわけでもありません。
この辺りは、使った側との相性もありますから、仕方がない部分になるでしょう。
現状だとスカルプエッセンスよりも、育毛剤の方が安い傾向にあるのは育毛剤の利点だと言えます。
それから、初心者が使うときには、安全である可能性が高い育毛剤を選んだ方が安心です。
技術面で見た場合、スカルプエッセンスよりも半年から1年程度遅れるのですが、そのあたりは次でお話します。
スカルプエッセンスの特徴やメリットは
育毛剤とは違い、最新の成分を使うことが出来るのが、スカルプエッセンスの何よりの利点だと言えるでしょう。
医薬部外品は、厚生労働省に認可してもらう必要があり、審査に出したからと絶対認可されるわけではありません。
そのため、最新成分をいち早く商品に取り入れるため、あえて化粧品に収まっているのがスカルプエッセンスです。
ですから、スカルプエッセンスの方が、育毛剤よりも効果が高い可能性も充分にあります。
他にもメリットをあげるとすれば、化粧品であるスカルプエッセンスは、全ての成分を表示する義務がありますから、ある程度の知識があれば、その成分表を見て大丈夫かどうかを判断することもできるでしょう。
最新の成分を使っているだけあって、育毛剤よりも高めの値段設定になります。
安全性についてですが、その企業に委ねられる部分になるため、下手な企業のものを購入するのはお勧めできません。
同じく、効果についても何から何まで、その会社内で行われていますから、全く育毛と関係に成分が入っている可能性は否定できない。
選び方は個人次第です
どちらにも、メリットとデメリットがありますから、どちらが良いかという事は難しいです。これから先は、自分でどちらが良いのかを考えて、選ぶようにしてください。
ただ、はじめて育毛剤を買うのだというときには、「育毛剤」を選んだ方が良いかと思います。