スマートフォンというと、OSや機種など様々な違いもありますが、SIMロックやSIMフリーといった専門性の高い違いも含まれます。特に、後者は日常的に使う言葉ではありませんので、興味をもって調べてみないことには、分かりにくい話題かもしれません。
そこで、SIMフリーとSIMロック解除の違いについて分かりやすく説明します。
simロック解除の特徴
SIMロックとは、大手キャリアが自ら販売している端末で、他社のSIMカードを使えなくするためにつけた制限のようなものです。
ただし、自分のところの回線を使っているMVNOのSIMカードなら使えるため、他社回線といった方が正しいかもしれません。
SIMロック解除をすることで、他社の回線も使えるようになるというのが基本的なものになります。
キャリアから買った時点で、ある程度の設定はされているため、そういった手間がかからず、同一回線のMVNOに移転するときには、周波数を気にしなくてもいいというのが大きな特徴になるでしょう。
また、端末依存のおサイフケータイや、緊急速報などの機能は当然ついていますから、MVNOに乗り換えた後、使いたかった機能がない事態は少ないと思います。
ただし、面倒に感じる部分もいくつかあり、例えば、ドコモ端末でのテザリングはドコモでしか行えません。
同一回線のMVNOでも、ドコモの端末でテザリングをしようとすると、接続先が勝手に切変わってしまう為、利用することが出来ません。
また、auのVoLTE対応端末を使うときには、SIMロック解除が必須になるうえ、VoLTE非対応のSIMカードを使うことはできないようです。
機能面だけではなく、このような面においても、SIMフリーとは少し違うのがSIMロック解除の端末です。
simフリー端末の特徴
SIMフリーとは、キャリアから購入するものとは違い、SIMロックが初めからついていないものを指します。
iPhoneなどは、キャリア向けの端末もありますが、SIMフリーの端末もありますから、一度調べてみると面白いかもしれません。
キャリアのスマホは、自社の回線に合った端末を販売していますが、SIMフリー端末では、自分自信で使えるかどうかを確認しないといけません。
例えば、周波数が対応しているか、どれが対応していたらいいのか、技適マークがついているのかなどです。
周波数はその特性上、日本国内で全く使えない端末というのは扱われていないとは思いますが、それでも地方や山奥、屋内だと利用できないものがいくつもあるでしょう。
技適マークがついていない端末は、使ってしまうと、電波法に抵触してしまいます。
ですが、対応周波数自体は、キャリアのものに比べて多いことが多いです。
そのため、海外でも現地のプリペイドSIMなどを買って、使える可能性があります。
先ほど名前を出したiPhoneは、対応周波数も多く、日本だけではなく世界中で快適に使うことが出来るでしょう。
日本独自の周波数には弱いですが、プラチナバンドが受信できるのであれば、不便さを感じることは少ないと思います。
自分に合った方を選択する
SIMロック解除をした端末は、日本国内で販売されている同端末と同じキャリアの回線を利用する場合には、確認作業を省くことができるため、安心して扱うことができます。
特に、大手キャリアの端末を同じキャリアの回線で使用する場合、SIMロックを解除する必要がないことがほとんどです。
別会社の回線のSIMカードを使うために、SIMロックの解除をするわけですが、他社回線を使う場合には、SIMカードと端末の使用可能な周波数が一致していることの確認が必要になります。
そのため、auのVoLTE対応SIM以外では、無理に解除する必要はないかもしれません。
SIMフリーは、海外によく遊びに行くという人にとっては、とても便利なものになるでしょう。
また、キャリアの端末に比べると、値段が安いものもあれば高いものもあり、性能も様々で、自分に合った一台を探す楽しみがあります。
経験を積んで知識を身につけると、キャリアのスマホでは届かなかった痒いところにまで、手が届くような端末を見つけることが出来るようになります。
そういった意味では、SIMフリーはやや上級者向けと言っていいかもしれません。
知識はないけど、SIMフリー端末が欲しいという場合には、MVNOがセット販売しているものがSIMフリーですから、それを購入し、試してみると良いでしょう。
よくわからない時は
MVNOの多くはドコモの回線を利用しています。
そのため、よくわからなければ、ドコモの端末を用意しておくと、大体の事には対処できるでしょう。
テザリングについてはネックになりがちですが、VoLTE関連での確認の複雑さはなく、比較的無難な選択肢と言えます。
simロック解除はどういったときに必要になるの?
SIMロックの解除というと、どうしても専門的な言葉のために距離感を感じる方も少なくないと思います。少し複雑に感じるかもしれませんが、ドコモの端末に対してUQ mobileでできるのと同じように、au回線を使用しているMVNOのSIMカードを使いたいときには、必ず必要になる作業です。
そこで今回は、どのような時に必要になる作業なのか、SIMロックの解除について、分かりやすく説明します。
他社のsimカードを入れるとき
SIMロックとは、自社の端末において、他社の回線を利用できなくするもの、という認識で間違いありません。
そのため、他社のSIMカードを入れて端末を利用したいときには、SIMロックを解除する必要が生じます。
キャリアの端末にMVNOのSIMカードを入れるときだけではなく、キャリア同士のSIMカードを入れ替えて利用したい場合にも、必要な手続きとなります。
つまり、SIMロックを解除すれば、ドコモ端末に、ソフトバンクのSIMカードを入れて、利用することが出来るということです。
ここで注意していただきたいのは、「他社の回線」という部分です。
MVNOはキャリアから回線を借りて、通信事業を行っています。
例えば、専門的な言葉のために距離感を感じる方も少なくないと思います。少し複雑に感じるかもしれませんが、ドコモの端末に対してUQ mobile(UQ モバイル)であったならば、auの回線を利用しています。それ以外のほとんどのMVNOはドコモの回線を利用しています。
つまり、ドコモの端末であれば、ドコモ回線のMVNOのSIMカードを使う場合に、SIMロック解除が不要になるということです。
auのVOLTE対応には注意が必要
手元の端末と回線のキャリアが一致していたら、SIMロック解除は不要と言いきれたら簡単なのですが、残念ながら、そういう訳にもいきません。
現在スマホにはVoLTEという技術に対応しているものと、していないものがあります。
同様に、SIMカードにもVoLTE技術に対応しているものと、していないものがあります。
ドコモであれば対応と非対応で相互性があって、気にする必要はないのですが、auでは注意が必要です。
簡単に言うと、非対応端末には非対応SIMカードである必要があり、VoLTEに対応している端末には対応しているSIMカードが必要ということになります。
また、非対応同士の時には、SIMロック解除は必要ありませんが、VoLTEに対応している場合には、いかにau端末であっても、SIMロック解除が必要になります。
au回線に限らず、手持ちの端末を使って、MVNOに乗り換えるときには、端末が対応しているのかを、調べるか、問い合わせるか、してみることをおすすめします。
simロックを解除しても意味がない事
格安SIMの利用を始めて、使いたい機能が使えず、もしかしてSIMロック解除をしないといけなかったのかなと、感じることはないでしょうか。
例えば、auの話になりますが、VoLTE非対応の端末のSIMロックを解除しても、VoLTEが使えるようにはなりませんし、そもそもau回線のVoLTE対応SIMを使えるようになるわけでもありません。
また、ドコモの端末、ドコモの回線のMVNOという組み合わせの時に、テザリング機能が使えません。
それもSIMロックとは関係がないため、ロックを解除しても意味がありません。
前者の場合には、技術に対応しているかどうかの話になりますから、言ってしまえば最新のゲームディスクを1世代前のハードに入れているようなものです。
後者では、テザリングをするときに、専用の接続先へ切り替えられるのですが、ドコモと契約していないと使えないため、できないようです。
ドコモ回線のMVNOでテザリングを行う場合や、au回線のVoLTE対応SIMを利用したい場合には、それぞれ対応したSIMフリースマホを買うというのも手になりますから、一考してみると良いかもしれません。
わからない時はメーカーに問い合わせる
SIMロック解除が必要かどうかだけではなく、MVNOに乗り換えるときにわからないことがあれば、悩むより先に問い合わせることをおすすめします。
これで大丈夫だと思って契約してはみたけれども、手持ちの端末では使えなかったといった場合、単に新しい端末を買うハメになったというだけでは済まない可能性もあります。
simロック解除についての具体的な方法
キャリアの端末は、基本的にSIMロックを解除することが出来ます。
しかし、それぞれ受け付けてくれるための条件や、手続きの方法が微妙に異なっているのをご存知でしょうか。
条件次第では解除できなくなってしまう為、SIMロックの解除の方法について分かりやすく説明します。
ドコモでsimロックを解除する場合
ドコモがSIMロック解除を行ってくれる条件は、端末購入から6か月以上が経過している事、契約者本人が購入歴がある機種である事、解約済みの場合には解約後3か月以内である事の3点が大事なところです。
この他にも、ネットワーク制限や各種ロックがかかっていないことも条件に入ります。
簡単に言うと購入後6か月以上が経過した状態で、本人が申し込む必要があるというところでしょうか。
購入日の確認ですが、「dmenu」→「お客様サポート」→「電話機購入時確認サイト」で確認できます。
ここで気を付けたいのが、端末購入から「6か月以上」、解約「3か月以内」という点です。
端末購入後、3か月未満で解約した場合、端末購入後6か月経つころには、解約して3か月がたってしまいますから、SIMロック解除の手続きを行うことが出来なくなります。
手続き方法ですが、「ドコモオンライン手続き」から申し込む方法、ドコモの携帯電話から「151」に電話をかける方法、ドコモショップにもっていく方法の3つがあり、パソコン以外での申し込みには3,000円の手数料がかかります。
解約した後で解除してもらうには、ドコモショップに端末を持参しての対応になります。
auでsimロックを解除する方法
auは3つあるキャリアの中で、唯一本人でなくてもSIMロック解除を行うことが出来ます。
条件としては、端末購入後181日以上経過している事、ネットワーク利用制限中でない事などです。ドコモに対しても同じことがいえますが、SIMロックに対応している機種かどうかも関係されます。
手続きはパソコンやスマートフォンから、「手続きはパソコンやスマートフォンから、「auお客さまサポートサイトを利用して申し込む方法と、auショップに直接持ち込む方法の2つです。
ショップ持ち込みの場合には、手数料の3,000円が必要となります。
本人でなくても良いため、中古のau端末を買って手続きすることも可能です。
しかし、その際には、ショップへの持ち込みのみでの受付になり、本人確認書類などを持っていく必要があります。
また、他社のSIMカードを入れた状態での動作保証はなされていません。
ソフトバンクでsimロックを解除する方法
ソフトバンクでは、端末購入後181日以上経過したもので、解約後は90日以内まで対応してくれます。
申し込みが出来るのは、契約者本人のみであるため、解約90日以内の端末を中古で購入した場合には、SIMロック解除はできないと考えた方が良いでしょう。
また、ネットワーク制限がかかっているもの、故障や水濡れがある場合にはできないため、制限解除や修理を行ってからの申し込みになります。
解除方法は「Mysoftbank」での手続きか、ショップへの持ち込みの2方法があり、ショップにもっていった場合には、3,000円の手数料がかかります。
オンラインでの手続きは無料ですが、解除するためには、その後利用する別会社のSIMカードが必要です。
持っていない場合には、ショップへの持ち込みだけになりますから、注意してください。
中古品を購入するときは注意
【中古のスマホを買うときは注意】で記述している通り購入する際、お使いのキャリアなどに注意してください
simフリーやsimロック解除の見分け方は存在するのか
格安SIMを手軽に使う使うために、中古で販売されているスマホを買おうかと悩むことも。その際、端末にSIMロックがかかっているのかどうかがわかると、とても便利に感じます。
そこで、外見からスマホを見分ける方法について調べてみました。
simロックがかかっているかを外見で見分ける方法は存在しない
残念ながら、SIMロックがかかっているかどうかを、外見から判断する方法は見つかりませんでした。
そのため、SIMロックが解除されている状態にあるのかを確認するためには、実際にSIMカードを挿入して試してみる他に方法はないでしょう。
回線が違うSIMカードを入れて、使えれば解除されていますし、使えなければSIMロックがかかっているということになります。
しかし、この方法ですと端末を購入してからでなければ分からないことになってしまいます。
そこで、解決策として、端末を購入する前の動作確認をお店の担当者にお願いしてみましょう。SIMロックが解除された端末を選ぶことが簡単にできるようになりますし。実際に使わせてくれるところがあれば、一番良いと言えます。
SIMロック解除端末とは違いますが、SIMフリー端末が並べられているお店もあります。
SIMフリー端末は、初めからSIMロックがかかっていない端末で、SIMフリーかキャリアの端末かを調べようと思ったら、Android端末であれば、とても簡単に作業を進めることができます。
考え方としては、SIMフリー端末しか出していない会社の端末であれば、当然SIMフリーで確定です。
次に、キャリアに端末を提供している会社の製品端末で、SIMフリー端末も出しているところの場合には、キャリア向けに作られたものと、メーカーブランド製品には微妙に違いがあります。
一例を申し上げれば、富士通ではarrowsを作っていますが、メーカーブランドである「arrows M03」や「arrows M02/RM02」などは、キャリアでは取り扱っていません。
そのため、キャリア向けに作られたものかどうかを調べ、確認する必要があります。
中古のキャリア端末はsimロック解除がされていないと見た方が良い
SIMロック解除をするには、個別に申し込みをする必要があり、手順は難しくはありませんが、よほど高い関心を持っていなければ試そうとは思わないでしょう。
自分で考えるのが難しいからと、各社のショップにもっていくと、手数料として3,000円前後のお金がかかりますし、待ち時間や移動時間も考えると遠慮しがちです。
そのため、前もって確認することができない中古の白ロム端末は、SIMロックが解除されていないものとして考えておいた方が良いでしょう。
また、3大キャリアの中で、中古であってもSIMロックが解除できる製品はauのみで、その他のキャリアでのSIMロック解除は、原則購入者しかできませんので、注意が必要です。
au端末に関しても、例えau回線を利用したMVNOであっても、VoLTE対応端末だとSIMロック解除しないと使えないようですから、こちらも留意しておいてください。
iPhone端末の見分け方
Android端末とは違い、iPhoneは同じ端末を各キャリアに提供していて、SIMフリー端末も販売しています。
キャリア各社からiPhone7が出ているのもそのためです。
SIMフリーのiPhone7もあるため、Android端末と違いSIMフリーかどうかも分かりにくいのがiPhoneです。
これもまた、SIMカードを入れてみる以外は決定的な見分け方は存在していないようで、強いてあげるとすれば、販売している国がどこかで判断できる可能性があります。
「設定」→「一般」→「情報」に進み、モデルを見ると末尾J/AとかJなどの文字が書いていると思います。
これが国を表していて、J/A、Jは日本の事です。
もしも、ここのローマ字がZPかZP/Aであれば、香港で発売されたもので、香港ではSIMフリー端末しか発売してないため、確定することが出来ます。
中古のスマホを購入するときは注意
買った端末を販売していたキャリアの回線を使うのであれば、SIMロック解除は必要ないため、あえて気にする必要はないですが、それ以外の場合にはSIMロックの解除は必須となります。
自分がどこの会社と契約をしたいのかを前もって決めてから、購入する端末を選ばないと、購入金額分だけ損をしてしまいますから注意が必要です。