白ロムとSimフリーの疑問を持つ男性

格安SIMに乗り換えようと情報を集めていると「白ロム」や「SIMフリー」という言葉を目にすることがあります。
はじめて聞いた人はもちろん、何度か目にしたことがある人でも、この2つの違いをちゃんと把握しているという人は少ないのではないでしょうか。
この2つ似ているようで、違う部分があるため、きちんと区別するため、わかりやすく説明します。

白ロムとは何か

白ロムとは、現在では「SIMカードの入っていない状態の端末」の事を指しています。
以前は端末内に直接データを書き込んでいたため、メモリ(ロム)に記録がない状態の事を指していましたが、現在ではSIMカードに契約者情報が記録されているため、SIMカードを抜いた状態を白ロムと呼んでいます。
もっと大雑把に考えるなら、中古品で売られているものと考えても良いでしょう。

後で説明するSIMフリーも、考え方によっては白ロムたりえるのですが、多くの場合白ロム=キャリアの端末からSIMカードを抜いたものになっているようですから、ここでもその定義のまま説明します。
キャリアの端末ということですから、何もしていなければSIMロックがかかっています。

また、SIMロックを解除するためには手数料がかかる場合もあるため、多くの白ロム端末は解除されていないと考えた方が良いです。

SIMロック解除がされていない前提で考えると、中古で購入した白ロムを使うためには、販売元のキャリアと同じ回線のMVNOを利用する必要があります。
ドコモの端末を買った場合には、ドコモの回線を利用しているMVNOを選ぶということです。

現状多くのMVNOはドコモの回線を利用していますから、中古で端末を買ってMVNOを利用したいという場合には、ドコモ端末を購入しておくと良いでしょう。
逆に、ソフトバンクの回線を利用しているMVNOは存在していないため、注意してください。
また、中には端末料金を払い終わっていないのに売った「赤ロム」と呼ばれるものが中古端末として店頭に出回っていることがあります。

赤ロムはロックがかかってしまい、MVNOのSIMを入れても利用できなくなるうえ、端末を見ただけでは赤ロムかどうか判断のしようがないため、信頼のおけるお店で購入した方が良いでしょう。

白ロムのメリット

以前、自分で使っていたキャリアの端末をそのまま使う、という場合も、白ロムを使うということになります。
それ以外の場合は、中古のものをリサイクルショップやネットを使って買うことになるでしょう。

中古の端末を購入する場合には、比較的安価で済みます。新古品として、ほぼ新品のような状態の端末もあるため、性能の高い端末を安価で手に入れられる可能性があります。

また、端末と回線のキャリアを合わせる必要はありますが、そこさえちゃんと合わせることが出来れば、対応周波数を確認する必要もなく、技適マークがついていないという事態もないでしょう。

端末と回線のキャリアを合わせるというのは、例えば、ドコモが取り扱っている端末の白ロムを購入した場合、ドコモの回線を利用しているMVNOを選ぶということを意味します。

現状、UQ mobile(UQ モバイル)以外は、ほぼドコモ回線を利用している(中にはauとドコモの2社対応もある)ため、ドコモ端末を買っておけば失敗はしないでしょう。

また、修理が必要になった場合には有料対応となりますが、各キャリアのショップにもっていくことで、修理を受け付けてくれるようです。

simフリーとは何か

大手キャリアと契約しなくても新品(新古品は含まない)で買えるものは、SIMフリースマホだと言って良いでしょう。
簡単に言えば、初めからSIMロックがかかっていない端末の事です。
ロックがかかっていないため、どのSIMカードを入れても大体は利用することが出来ます。

世界各国で使うことを目的としている端末もあり、対応周波数が幅広く、海外でも現地のSIMカードを入れて利用できる可能性が高いと言えます。
白ロムの場合、対応周波数が日本のものしかない可能性があり、海外ではうまく利用できない可能性があります。
逆に、日本特有の周波数に対応していないこともあるため、特に海外のものを買う場合には周波数が対応しているかの確認が必要です。

料金は1万円台の安いものから、数万円の高いものまで幅広く、自分に合ったものを選ぶこともできるでしょう。

simフリースマホのメリットとは

SIMフリーとは、初めからSIMロックがかかっていないスマートフォンの事です。
これに対応するもので、白ロムと呼ばれるものがありますが、こちらはキャリアの端末からSIMカードが抜かれた状態のものになります。
この2つを比べながら、SIMフリーを選ぶメリットとは何かについて説明します。

キャリアが扱うものよりも安く買う事ができる

キャリアが扱うものよりも安く買える

キャリアで端末を購入する場合、安く買えるものもありますが、どちらかというと少し古い端末である事が多いのではないでしょうか。
ところが、SIMフリーの端末であれば、1万円未満でもそれなりのスペックの端末を選ぶことが出来ます
安く購入できる理由の一つとして、端末に備わっている機能をいくつか省いていることが挙げられます。省かれていることの多い機能として、例えば、おサイフケータイなどには対応していないものと言うのがいくつもあります。

キャリアのスマホは使わない機能が多くて、価格に比べてオーバースペックだと感じている人であれば、SIMフリーのスマホは、低価格で必要十分な機能が備わっているメリットの多い選択肢となるでしょう。
また、SIMフリーの強みとしては、逆にキャリアのものよりも高品質のものを扱っているところもあるというところでしょう。
その分値段は高くなる傾向にありますが、ピンからキリまで選択肢が沢山あると言う事は、それだけ、自分に合ったものを選ぶことが出来るメリットとして言い換えることができます。

海外でも使える可能性が高い

SIMフリースマートフォンの中には、全世界に向けて発売する事を目的として作られたものがあります。
例えば、iPhoneが分かりやすい例かもしれません。
その為、日本にはない周波数に対応している事が多く、海外旅行の際でも現地のSIMカードと入れ替える事によって、手持ちの端末をそのまま使うことが出来ます

例えば、ドコモが国内で扱っているXperia XZ SO-01JとZenFone3MAXを比べてみると、前者がLTE対応周波数が7bandなのに対して、後者は13bandもあり、その差は倍近くあります。
それだけ、多くの電波をキャッチできると言う事ですから、これは大きなメリットになると言って良いでしょう。

また、対応周波数が多いと言う事は、国内でもマイナスではなく、au回線とドコモ回線に対応できるだけのスペックがあれば、MVNOを選ぶ時に回線による縛りはなくなると考えられます。
mineoなどau回線のAプランとドコモ回線のDプランがありますが、料金的にはAプランの方が安くなりますし、選べる幅は少しでも広い方が良いでしょう。

機種変更がしやすい

大手キャリアで購入する場合、高価な端末を購入する際には、分割払いを選ぶ人も多いでしょう。
その場合、およそ24か月間は支払いが続きますから、その間はなかなか機種変更はしにくいのではないでしょうか。
しかし、SIMフリーは自分で購入ずみの端末となりますから、変更しようと思ったタイミングで自由に変更することが出来ます

SIMフリーではなくMVNOの話にもなりますが、大手キャリアのような2年の縛りが存在していないため、それに振り回されると言う事もありません。

自由度が高い事が最大の特徴か

MVNOの選択や、スペックの選択、変更のタイミングなど自分の好きなように出来るのが、SIMフリーの利点と言えるでしょう。
その分、知識が必要になり、分からないままにしてしまうとトラブルの原因になってしまうこともありますが、もしも、今まで使っていた端末に不満があるというのであれば、SIMフリーへの買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
キャリアのSIMカードを使っていたとしても、SIMカードを入れ替えれば、そのまま使う事が出来るでしょう。

simフリースマホのデメリット

スマホのデメリットに顔をしかめる女性

多くの場合、物事にはメリットとデメリットがあります。それらは表裏一体であることも珍しくありません。
大事なのは、デメリットがあるから使わないというのではなく、特徴であるデメリットを理解した上で、メリットを上手に引き出して使うことができるのかどうかを考える事なのでしょう。
そこで、ここではSIMフリーのスマートフォンを使った場合いデメリットとして感じやすい特徴について紹介します。

対応する周波数の問題

MVNOに移行するとき、キャリアで使っていた端末(白ロム)を使うか、SIMフリーを使うかという二択の話になりますが、白ロムを使う場合には、大きなメリットがあります。

その1つが、対応周波数です。
スマートフォンなどの端末には、それぞれ対応している周波数があり、対応していない周波数の電波は利用できないと考えてください。

それと同じように、各通信事業者はいくつかの周波数を使って事業を行っています。
例えば、ドコモの場合には、band1、band3、band19、band21、band28などの周波数(LTE)を使っています。
これらの周波数を受け取ることが出来る端末でなければ、ドコモの回線は使えないと言う事です。

ただし、全てに対応している必要はありません
ドコモの場合だとband1とband19は最低限対応していた方が良いと考えられますが、それ以外のbandについては、対応してくれていたら運が良かったという認識で十分です。
ドコモ端末の白ロムであれば、それだけでドコモの周波数には対応していますから、改めて確認する必要はないでしょう。

しかし、SIMフリーの場合、特に海外で売られている端末を購入して利用しようとする場合には、自分で周波数が対応しているかどうかを確認する必要があります。
また、LTEと3Gの両方に対応していることを考えないといけないため、もう少し複雑です。
何より、使ってみたいと思ったSIMフリー端末が、日本で使用されている周波数に合っていることについても、個別に確認する必要があります。

端末補償の問題

simフリー端末は、Amazonなどの通販サイトでも販売されているため、思っているよりも簡単に購入することが出来ます。
しかし、こういったサイトで購入した場合、端末補償が付いていない可能性があります。
大切に使ったとしても、修理が必要になることがあります。そのため、端末保証は必要になると考えておいた方が安心と言えるでしょう。

また、修理に関しては、キャリアの端末であれば、各キャリアのショップが市内のあちらこちらにありますので、そこに持って行けば対応してくれますが、SIMフリーの場合、修理対応してくれる店舗が近くにはない事の方が多いでしょう。
そうなると、補償があったとしても、壊れた端末を送るという手間と時間が必要になります。何よりも、その端末を利用できない期間が、長くなってしまうかも知れません。

購入前に機能を確認しておく

SIMフリーのモバイル端末には、大手キャリアの端末であれば、ほぼ確実にありそうな機能について搭載せずに、省いている事があります。
その中でも比較的多いのが、おサイフケータイ機能が省かれている端末が多いということでしょうか。
こういった機能を付けない事で、値段を安く抑えているという面があり、冒頭で少しふれたメリットとデメリットの関係の一端かと思いますが、事前に確認することなく購入してしまうと、後になってトラブルの原因となります。

そうならないためにも、購入するときには、どのような機能がついているのかをしっかりと確認しておきましょう。

よくわからない場合はMVNOでセット購入も

どのような使い方を選ぶのかによって、デメリットを感じる条件は色々とあるかと思いますが、多くの場合は知識や使い方によって補うことができるものです。
対応している周波数の確認は、最初は時間はかかるかと思いますが、自分で行うことで正確に理解し、安心して扱うための準備になると思いますし、端末補償についても、利用を始めた後のことを考えていることの表れですから、不便を感じることは少ないのではないかと思います。
また、それまで大手キャリアで使っていた端末があれば、SIMフリーのモバイル端末の修理中の代替機として使うことができます。

最低限の機能として、電話による通話とeメールが出来ればいいと言うのであれば、不便さを感じることなく、利用でき流のではないでしょうか。
デメリットと感じやすい機能の不足が気にならなければ、SIMフリーはとても自由度が高く利便性に優れたメリットが多くなります。
また、MVNOがセット販売をしているものであれば、周波数の問題は起きませんので確認は必要ないでしょうし、分から無い事は購入時に質問することが出来ます。迷った際には選択肢に加えて、相談してみるのも良いかもしれません。

白ロムとsimフリーの違いまとめ

白ロムは、基本的にSIMロックがかかったままの可能性があります。
加えて、本人以外でSIMロックを解除できるのはauだけですから、MVNOが利用している回線がどこなのかは次戦に確認をしておくと良いでしょう。
SIMロックが解除されていた、あるいは解除したものであれば、あまりSIMフリー端末との違いはありませんが、全く同じではなく白ロムでは利用できない機能がある場合があります。

周波数については、白ロムを回線元と合わせて使う場合には気にする必要はありません。その理由は、ドコモ端末は当然ドコモの電波を受信できるようになっているからです。
SIMフリー端末を使う場合には、SIMカードとの相性を白ロムほど考えなくていい代わりに、対応周波数には注意が必要になります。

どこで使うか、どのようなsimカードを使うか考えて

考えるのが面倒だからと考えて、SIMフリーの対応周波数が広いものを選びたくなりやすいものですが、その分料金は高くなる傾向にあります。
日本でドコモ回線のMVNOを利用するのであれば、ドコモの白ロムを中古で買った方が、新品のものを買うよりも安く抑えることが出来るでしょう。
周波数がよくわからないという場合にも、後者の買い方がおすすめです。