日本では特に上に行くわけでも下に行くわけでもないのに、「上り」とか「下り」が使われることがあります。
国道や鉄道であれば、都市部(特に東京)に向かうときに「上り」、逆を「下り」と言いますが、通信における上り下りとは一体何なのでしょうか。分かりやすく説明します。
データが向かう方向の事
道と同じく方向を指しています。データをスマートフォンから送るのか、データをスマートフォンに読み込むのか、といった方向です。
ですが道とは違い、データ通信には都市部は存在していません。
ではどちらが上りで、どちらが下りなのかという話ですが、アップロードとダウンロードを思い浮かべてみるとわかりやすいと思います。
端末からデータを送る時、写真をSNSに投稿することなどをアップロードと言いますが、アップというだけあって、こちらが上りです。
逆にインターネットのデータを取り込む時、アプリをスマートフォンに入れるときなどでダウンロードを使うと思いますが、ダウンですから下りになります。
キャリアでもMVNOでも構いませんが、ホームページで通信速度を見た場合、上りと下りという表現をしているかと思います。
そしてよくよく見てみると、上りの速度と下りの速度は結構違っています。
多くの場合下り速度の方が速く、多くの場合下りの方が重要になるため、通信速度を示す時には下りの速度を書いていることが多いです。
しかし中には上りの速度を書いていることもあるようで、その数字が上りなのか、下りなのかを確認する必要があるでしょう。
通信速度のbpsとはどういうことなのか
通信速度で使われるのが「bps」という単位です。
bits per secondの略称で、1秒間に何ビットのデータを通信できるのかを示しています。
上りだと1秒間にアップロードできるデータ量、下りだったら1秒間にダウンロードできるデータ量ということです。
単位が同じであれば、前についている数字が大きいほど速いということになります。
単位の話ですが、「bps」の前にGやMなどがついていることがほとんどではないでしょうか。
k(キロ)<M(メガ)<G(ギガ)と大きくなり、1つ大きい単位になるときには訳1000倍されると考えてください。
1,000bps≒1kbps、1,000kbps≒1Mbps、1,000Mbps≒1Gbpsといった具合です。
正確には1,024bps=1kbpsといった感じなのですが、1,000倍と言われることもあるためこのようにしています。
スマートフォンを使っている中だとみても、Mbpsくらいまででしょう。
注意しておきたいのがbpsの「b」が「bits」である事です。
よくデータ量を表すときに「B(バイト)」を使いますが、それとは別物になります。
ビットとバイトの関係は、1バイト=8ビットとなりますから、バイトの方が少し大きな単位になります。
見分け方としては、小文字表記ならビット、大文字表記ならバイトですが、混同している人も多いです。
格安スマホだと通信速度は遅いの?
格安SIMを挿している格安スマホですが、キャリアと比べた場合、使用状況にもよりますが、遅くなるものと考えてください。また、MVNO間でも速度については大きな違いがあります。
その理由としては、MVNOが大手キャリアから回線を借りているからと言うのが1つで、設備の性能と言うのが1つです。
正確には、使える回線に対して利用者が増えれば全体として通信速度が遅くなり、その逆の場合には速くなります。
そのため、MVNOだと、多くの人がデータ通信を使う時間帯に利用しようとすると速度が遅くなりやすいといえます。
とても広い道を回線に見立てると、MVNOは大手キャリアにお金を払って、広い道のいくらかを借ります。そこを契約した人が歩くのですが、道幅はキャリアのそれより狭く、たくさんの人が歩けば混雑してしまい、移動するのに遅くなるイメージです。
大手キャリアの回線を借りているため、利用可能エリアに関しては変わりません。
どれくらいの速度があればいいのか
通信速度の話をしましたので、スマホを使う上でどれくらいの通信速度があればいいのかを、簡単にご紹介します。
しかしメール1つとっても、文字数や画像の有無などで必要な速度は変わりますし、個人によってもストレスの感じ方は変わりますから、目安程度に考えておいてください。
まず「メッセンジャー」「メール」「LINE」などは、100kbpsから1Mbps程度あればいいと言われています。
1Mbpsが必要になるのは、画像を送信しようとした場合ですから、文字だけなら200kbsもあれば充分という人もいるでしょう。
ホームページの閲覧だと200kbpsから2Mbpsといったところです。
これも画像や動画がどれくらいになるか次第にはなりますね。
同じページであっても、広告次第では必要速度が変わる可能性もあります。
Youtubeなどで動画を見たいのであれば、5Mbpsもあれば充分です。
低画質の短い動画になると、1Mbpsでも足りるかもしれません。
人によっては1Mbpsも必要ないと思うかもしれません。
また、通信速度を示すものとして見にする記述として「最高通信速度」で225Mbps等書かれていることがありますが、実際には、様々な要因が影響するため、それほどまでの速度は出ないと考えた方が良さそうです。
基本的には下り速度に注意して
スマートフォンを使って、そんなに大容量のものをアップロードすることは少ないのではないでしょうか。
大きくても撮った写真をSNSに載せるくらいになると思います。
たいして、下りは動画の視聴などにもかかわってきますので、速度を見るときには下りに特に注意してください。
文字媒体しか使わないという人であれば、下り速度もそんなに必要ではないでしょう。