通信速度は、スマートフォンを使っていくうえで、無視でない要素の1つです。
目に見えて重くなっていないのであれば、あまり気にする必要はないかもしれませんが、なかなかメールが送れなかったり、WEBページの読み込みが遅く感じるようになると、使うたびにストレスになります。
そこで今回は大手キャリアとMVNOの通信速度について、分かりやすく説明します。

高速通信はキャリアの方が速い

高速通信はキャリアの方が速い

通信速度を比べる場合、最高速度を比べてもいいかもしれませんが、最高速度と実際の速度では大きく違ってしまいます。
実際の速度を比較するにしても、場所や時間、利用者の数など様々な要因で変わってしまうため、一概に比べる事も出来ません。
それでも、高速通信時(データ容量を使い切っていない状態)では、キャリアの方が速いです。

では、MVNOに変えると、スマートフォンが極端に重くなってしまうのかと言われたら、そんな事はありません。
UQ mobileなど(格安SIMを扱っているという意味ではY!mobile)などは、大手に近い通信速度を出すことが出来ます。
それにキャリアほどの速度が出せなかったとしても、普段利用する分には支障がない事が殆どです。

実際使う上で、例えば動画を見るのだとしても、5Mbpsあれば十分だと言われていますが、MMD研究所の調査結果によれば、UQ mobile(UQ モバイル)で15.8Mbps、mineoのAプランで10.6Mbps、nifmoで7.9Mbpsと言うデータが出ています。
通信速度は速い事にこした事はないかもしれませんが、無理にキャリアの速さに拘る必要はないでしょう。

低速モードにすると格安simに軍配が上がる

データ容量を超えると低速モードへと移行してしまいます。
その時の速度は、3大キャリアが128kbpsなのに対して、格安SIMは200kbpsであるところが多いです。
どちらの速度であっても、テキストメインのメールやアプリでのやり取りであれば、問題なく利用できる速度だと考えてください。

WEBページや動画を見ようと思ったら、かなりの不便が出てきます。
イメージとしては、200kbpsだと文字が多い簡単なサイトや低画質の動画なら見られるかもしれないようなレベルで、128kbpsでは諦めた方が良いでしょう。
ここも使う人次第という部分ではあり、WEBページを表示できたとしても、表示までに時間がかかるのが耐えられない人であれば、どちらであってもストレスに感じてしまうかも知れません。

ただし、格安SIMおすすめの中にはバースト転送を採用しているところがあり、採用されていた場合、低速モード時であっても、最初の僅かな時間だけは高速通信で読み込むことが出来ます。
本当に僅かであるため、動画を見ようとか、画像が多いWEBページを見ようと言うのは無理ですが、Twitterのタイムラインくらいなら一瞬で表示できるそうです。
その為、低速モードの時の使い勝手の良さは、格安SIMの方が上だと言えるでしょう。

なぜ通信速度が変わるのか

なぜ、MVNO同士であっても速度が変わってしまうかですが、MVNOがキャリアから回線を借りているからです。
その時に借りた回線の程度によって、速度が変わります。同時に利用者の数が関わってきます。
一人当たりの回線の大きさがどれくらいかと言う事ですね。

利用者が少なく、借りている回線が大きいほど速度は速くなりますが、借りている以上料金がかかります。
その料金を支払うためには、それだけ人を集めないといけません。
MVNOの通信速度は、そこのバランス次第になります。

また回線はレンタルできても、サーバーは自前のものを用意する必要があります。
そのサーバーの性能も、速度には関わってきますが、回線ほど関わっては来ないようです。
通信速度を重視してMVNOを選ぶ場合には、設備投資や増設などに力を入れているところを選ぶと良いでしょう。

基本的にスマホを使わない環境の人は格安simにしてみては?

普段スマホで動画やWEBサイトを見ないという人であれば、格安SIMでも十分な速度があります。
動画を見る場合でも、不便ない程度の速さを確保しているMVNOも多いですから、価格面で大きな差が出るで、一度移行を検討してみてはどうでしょうか。

データの使用量を超えてしまったらどんな問題があるの?

使用量を超過してショックを受ける女性

格安SIMに限らず、携帯会社と契約するときに、データ容量と言う言葉を耳にする機会があります。
多くの人がこの容量を超えないように、気を付けて使用していると思うのですが、万が一超えてしまったらどうなるのかご存知でしょうか。今回は、格安SIMでデータ容量を超えた場合どうなるのかについて、分かりやすく説明します。

基本的にキャリアの場合と変わらない

キャリアの場合と同じですが、データ容量を超えたからと言って、直ちにインターネットやメールなどのデータ通信が行えなくなるわけではありません。
容量を超えた場合、通信速度が著しく下がります
具体的な数字を言うと、格安SIMの場合、多くは200kpsまで速度が落ちます。

格安SIMの実行速度は不安定であることが多いため、一概にどれくらい遅くなるのかと言われると難しいところですが、仮に10Mbpsだとしても、50分の1程度になる計算です。
余談ですが、どこの会社であっても速度表記は「最大」で表示されています。
具体的には「最大通信速度225Mbps」いった感じで、表示されている数値は。どこであって200Mbps以上になっているでしょう。

ですが、これはあくまでも「最大」であり、日常生活を送っている中で、この速度が出ることはまずありません。
大手キャリアでも実行速度20Mbps出ていたら良いところでしょう。

この通信速度が、データ容量を超えてしまうと、低速モードになるのです。
MVNOの中には毎月○○日までならプラン変更が自由と言うところもありますから、どうしても低速は嫌だと言う人は、そのような救済措置が提示されているMVNOと契約すると良いでしょう。

200kbpsの通信速度ってどんな世界なの?

200kbpsに速度が落とされると言っても、それがどれくらいなのかわからないと、対策の仕様がありませんよね。
実は200kbpsでも、メールや通信量の少ないアプリなら問題なく使うことが出来ます
WEBページも文字メインのものであれば、ストレスなく見ることが出来るでしょう。

感覚の世界なので、人によってはストレスがたまる速度かもしれませんが、容量の大きい画像や動画は、ほぼ見ることが出来ないと思った方が良いでしょう。
実際の感覚と数字では開きがあるとは思いますが、200kbpsだと最低限の連絡は取れるけれど、エンターテイメント的なものは利用できないくらいの認識でいいかもしれません。

ただし、場合によっては200kbpsよりも速度が落とされるところもあります。
通信制御と言って、短期間で規定された通信量を上回ると、データ容量とは関係なく一時的に低速まで落とされることがあるのですが、それが低速モードの時にも適応されることがあり、その場合は、日常的な使用には適さないほど遅くなると言って良いでしょう。

超過したら元の通信速度に戻せないのか

MVNOであっても、キャリアであっても、容量の追加購入を用意しているところがほとんどですから、それを購入することで通信速度を戻すことが出来ます。
金額は各社違いますが、100MBで200~300円と言ったところでしょうか。
安いところでは、100MBで150円です。

100MBで200円でも、1GBだと1100円であるなど容量が増えれば安くなるところもありますが、月額基本料金で考えた場合、1GB増えても増加する金額は200円程度です。
こう考えると、追加容量があるからオーバーしてもいいやと考えるよりも、少し多めでも1つ容量が大きいプランで契約した方が、お得になるでしょう。
余談になりますが、月額料金を払って行う高速通信は、あくまでもMVNO(正確には大手キャリア)の回線を使ってのものですから、Wi-Fiが利用できれば容量関係なく高速通信を行うことが出来ます

余裕を持った容量選択を

容量の追加購入をしすぎると、格安が売りのMVNOなのに逆に高くなってしまいます。
容量を3GBから5GBにしたところで、料金的には400~600円程度しか変わらず、キャリアの金額と比べても安くはなるはずですから、余裕をもって容量は選択した方が良いかもしれません。

データ通信量を上手に抑える方法

データ使用量を抑えられてお得

格安SIMの月額料金の多くを占めていて、かつ値段を変更できるのがデータ容量です。
特に格安SIMの場合には、月のデータ通信量が多ければ月額が高くなり、少なければ安くなります。
では、どうすれば上手にデータ通信量を抑えることが出来るのでしょうか。分かりやすく説明します。

データ通信量を抑える意味

データ通信量が少なくなれば、データ容量が少ないプランに変更して、月額を安くすることが出来ます。
格安SIMだと、データ容量の幅が1GB単位だというところもありますから、例えば毎月3GB使っていたものを2GBに抑えることが出来たら、月額にして200円程度節約することが出来るわけです。
ただし、容量の幅は契約しているMVNO次第ですから、1GBデータ通信を減らしても1つ下のプランにできないかもしれません。

また、格安SIMにおける月額ですが、音声通話機能を付けたら一律で700円程度料金が高くなり、SMSの場合だと150円程度高くなります。
結果として、この金額は低額であり、どう頑張っても減らすことが出来ません。
それに比べて、データ容量の場合には、MVNOのプラン変更のしやすさも相まって、利用次第ではどんどん安くすることが出来ます。

データ容量を超えてしまうと、低速モードへと移行して、動画や画像を見るのが難しくなるという危険性がありますが、手っ取り早く月額を抑えるには、データ通信量を抑えるのが一番というわけです。

wifiを利用する

データ通信量としてカウントされるのは、表現は正しくないかもしれませんが、SIMカードを使ったモバイル回線を使った時です。
対してWi-fFiを使用しての通信環境があれば、MNOの回線を使っているわけではありませんのでデータ容量を消費しません。
つまり、自宅などWi-Fiが使える場面では、積極的に使っていくことで、データ容量を節約することが出来ます。

動画の視聴や容量の大きいウェブサイトの表示をすべてWi-Fiで行うだけでも、月のデータ使用量が1GB未満になるという人も少なくないのではないでしょうか。
電車などでの移動中に動画を見るという人だと、この方法はなかなか難しいかもしれません。
ちなみにWi-Fi環境さえあれば、SIMカードがなくても、インターネットやアプリのダウンロードなども行うことが出来ます。

低速モードを利用する

格安SIMの中には、自分の手で低速モードへと切り替えることが出来るものがあります。
意図的に低速モードにすることで、この間はデータ容量が消費されません。
ただし低速モードの時の速度は200kbps程度で、画像が多いWEBページやそれなりの動画などは見ることが出来ないでしょう。

しかし、文字媒体メインのメールや投稿、WEBページの表示であれば、多少時間はかかるかもしれませんができますし、人によっては不便ではないはずです。
また日頃は低速モードにしておいて、必要な時だけ高速通信が出来るようにしておけば、それだけでも節約になります。
また、MVNOの会社によっては、バースト転送が提供されているところもあります。

バースト転送とは、低速モードの時でも、最初のわずかな間だけデータ読み込みを高速で行うことが出来る機能です。
高画質の動画や、画像がメインのWEBページを見られるほどではありませんが、200kbpsで出来ていたことを、よりストレスなく行うことが出来るでしょう。
場合によってはWi-Fiと低速モードだけで十分という人もいるかもしれません。

使い方を変更すれば1GBで足りることも

最近では公衆Wi-Fiなどもありますし、少し使い方を変えるだけで、一気にデータ使用量を減らすことが出来るのではないでしょうか。
場合によっては、多くの会社の最低値であるデータ容量1GB未満で抑えることも、難しくはないでしょう。

低速になっても安心のバースト機能

快適な通信速度

バースト機能。または、バースト転送とも言いますが、あまり聞きなれない言葉です。普段からデータ容量に気を配り、データ量を調整している人や、そもそもデータ容量までデータ通信を行わないという人には恩恵の薄い話ですが、保険として考えると安心できる機能です。今回はバースト機能についてお話します。

バースト機能とは何か

データ容量を超えてデータ通信を行った場合、一般的なMVNOであれば200kbpsの低速モードに移行します。中には、データ容量が残っていても、手動で高速通信と低速通信を切り替えてデータ容量を節約できる所もあります。
こういった低速モードの時に、最初の一定量に限り高速通信を行うというものです。

その量はほんのわずかではありますが、テキストだけの通信のようにデータ量が小さいものであれば、その間に読み込めてしまえる可能性もあります。
また、バースト機能がなくとも、文字のみのメールやSMS、トークアプリなどは利用できますが、バースト機能が使えれば、より快適に利用できることでしょう。
普段の使い方は、低速でバースト機能があれば、充分通信速度を確保できるという人も多いのではないでしょうか。

バースト機能が使える格安simはどのメーカー?

バースト機能を採用しているMVNOはそれなりの数があり、例えばDMMモバイル、mineo、NifMo、NUROモバイルなどがそれにあたります。
この中でも、DMMモバイルやNUROモバイルはデータ量が少ないプランが存在する中でも、安価で利用できるため、普段はバースト機能を使って過ごしつつ、どうしてもデータ量が大きいものを通信しないといけない時だけ、高速通信にするといった使い方もできるでしょう。
DMMモバイルにはライトプランと言って、データ容量がない、常に低速通信のプランがありますが、データSIMで月額440円のプランがありますが、1GBのプランでも480円ですから、念のために1GBのプランにすることをお勧めします。

今回あげた中だと、唯一mineoだけがau回線が使えますし、NifMoは高速通信時の速度が速めのMVNOですからデータ容量が残っている間は快適に利用することが出来るでしょう。
バースト機能はどれにでもついていますが、各社ほかにも特徴がありますから、よく考えてから選ぶといいでしょう

バースト機能の値段比較

先ほど例に挙げたMVNOが月額どれくらいなのかを、簡単に比較してみようと思います。
まず最も安価で利用できるのは、DMMモバイルです。
先ほども値段を出しましたが、ライトプランで440円、データSIMで1GBが480円になります。
格安SIMを使う上でつけておきたい、SMSを付けたとしても、1GBで630円になります。

au回線を使いたいというのであれば、例に挙げた中だとmineoの一択しかありません。
mineoはau回線のAプランだと、SMSのついていないデータSIMというものはなく、SMS付1GBで800円になります。
ですが、実は3GBでも900円しかかかりません。

NifMoは少し容量が中途半端になりますが、1.1GBというプランがあり、データ専用で640円、SMSを付けて790円です。SMS付の3GBだと1,050円と、mineoよりも高めになります。
NUROモバイルには1GBというプランがありませんが、2GBでデータ専用が700円、SMSを付けて850円です。
NUROモバイルですが、2GB以降10GBまで1GBごとにプランがありますから、最も柔軟にデータ容量を決めることが出来るでしょう。

バースト機能をうまく利用してデータ容量の節約を

バースト機能を上手に使うことが出来れば、Wi-Fi環境がなかったとしても、データ容量1GBでも足りるという人もいるのではないでしょうか。
契約するデータ容量が少なくなればなるだけ、月額は低くなりますから、節約しないといけないというときにはぴったりです。