美味い話には裏があると言いますが、格安SIMも見方によっては、そう見えてしまうことがあるかもしれません。
そのため、格安SIMが低価格で提供できる理由には、どんな裏があるのか、気になる人もいるでしょう。
そこで、なぜ「格安」に提供可能なのかについて説明します。
回線を大手キャリアからレンタルしている
格安SIMを扱っているMVNO(例外もあります)の多くは、大雑把に言うと無線局を持っていない通信事業者です。
つまり、自社回線がありません。
そのため、大手キャリアから回線を借りて運営しています。
そうすることで、新たに基地局を立てる投資も必要ありませんし、それらの維持費もかかりません。
MVNOが自前で用意すべき設備は最小限で良いため、キャリアに比べるとかなり低コストで運営することが出来ます。
低コストで運営できるということは、低コストで提供することもできますから、「格安」になっているわけです。
また。回線を借りる際、大口でレンタルしているため、ボリュームディスカウントのように費用を抑えることが出来ます。
設備に対してお金をかけなくていいわけですが、全く設備にお金をかけない会社だと、一つの通信回線を大多数の人たちが利用することになるため、利用者人数の分だけ回線が重くなり、安定した通信速度を得られない可能性もありますから、注意が必要です。
基本料金にオプションをつけ足していく
多くのMVNOでは、セキュリティやかけ放題など様々なオプションが初めからついているプランというのは殆どありません。
各社の料金表を見てみるとわかると思いますが、基本はデータ通信専用SIMでデータ容量がどれくらいかで値段が決まっています。
そこにはセキュリティや通話オプションはもちろん、音声通話機能すらついていない状態だと考えてもらっていいでしょう。
殆どの場合、同じ表または近くに音声通話付きSIMの料金表もありますが、データ通信専用SIMに700円程足しただけの値段になっているはずです。
格安SIMに乗り換えるときには、たくさんあるオプションの中から自分の好きなものを選んだ合計の金額が月額になりますが、面倒だと感じる人もいるかもしれません。
しかし、オプションを選ぶことが出来るということは、不要なオプションを除外出来る<事でもあります。
キャリアのプランでは、通話し放題などのオプションが付いたものが多いですが、通話しない人にしてみたら、不要なものですよね。
仮に格安で提供されていたとしても、利用しなければ無駄でしかありません。
オプションを選ぶというのは、そういった無駄をなくすことが出来るということにもなります。
出来る限り安いコストで運用
最近では違うMVNOも増えてきましたが、基本的にはインターネットで契約して、支払いはクレジットカードのみというのが、格安simです。
今でも多くのMVNOが店舗を持っていないですし、持っていても主要な場所に何店舗かある程度で、地方では見かけたことがないという人も多いかもしれません。
店舗を持たないもしくは、少なくすることで、土地代や維持費などの店舗に関わるお金を使わずに済みます。
また、店舗を建てるとそこで働く人を雇う必要がありますが、店舗がなければそれにかかわる人件費もかかりません。
それから、支払いをクレジットカード1本にすることで、作業を単純、効率化することが出来ますから、やはりコスト削減につながるでしょう。
コストが安くなれば、顧客獲得のためにその分料金にも反映されるため、「格安」を続けることが出来るわけです。
ただし、最近では店舗を増やそうというMVNOや、支払方法に口座振替を採用しているMVNOもあるようです。
格安simで速度に違いがあるのはどうしてか
交換機までの道のりは全く一緒ですから、そこまで速度が変わるものかと思われるかもしれませんが、そこから先が問題になります。
具体的には交換機からサーバーまで回線の接続域と、サーバー自体の処理能力によって、速度の安定性が決まります。
実際の速度の違いは、もっと細かい、時間帯による利用人数や、端末の対応周波数の違い、スマホを使っている場所などの要素が関わってきますから、常に一定の速度というのはあり得ないと考えてください。
ただし、接続領域やサーバーを増強することによって、ある程度の速度は確保することが出来ます。
この2つを見た時、前者の方が効果が高く、後者はそれほど影響はないようです。
ただし接続域は増強しようとすると、大規模な工事が必要になることがあります。
そのためには、長きにわたる準備期間や、通信サービスの停止もあるため、気軽に行えるものではないようです。
ですが、たまに増強のためのサービス停止があるようなところだと、それだけ設備投資に力を入れているということになりますから、選ぶ基準にはなるのではないでしょうか。
APN設定では何をしているのか
格安SIMが届いて最初にすることが、APN設定ですが、これで何をしているのかご存知でしょうか。
APN設定は、接続先設定などともいわれ、どこのサーバーに繋げるのかを決めているものです。
交換機からサーバーに送られるときに、ちゃんと契約会社のサーバーに送られるのは、これが理由になります。
そのため、設定を行わなければ、LTE回線や3G回線は使うことが出来ません(Wi-Fiでは利用できます)。
キャリアでスマートフォンを購入した時に、APN設定をしたことがある人はいないと思いますが、それはキャリア側がすでに設定を終わらせているからです。
MVNOでは、自分で用意した端末を使うことも多いですから、自分で設定する必要があります。
利用者には見えない値下げ努力
消費者から見れば、店舗は多い方が何かあった時に安心ですし、支払方法もいくつかあった方が良いと言えるでしょう。
しかし、消費者側が不便に感じていることが、今の値段を維持するためには必要だということもありますから、頭に入れておいてください。
格安simって通信料金や通話料金ってどうなっているの?
広告を見ていると、格安SIM月額○○円と言う表現を見かけるのではないでしょうか。広告されている月額のサービスの中で、言ったい何がどのくらい出来るのかを一目で知ることは難しいことです。
通話機能が欲しいと思っていたのに、いざ契約してみたら通話できなかったと言うことにもなりかねません。思わぬところで料金が発生して、広告されていた金額よりも高くなってしまっても困ったてしまうでしょう。
そのため、格安SIMにおける料金について、分かりやすく説明します。
格安スマホを使うときに1ヶ月にかかる料金とは
全体の料金の話になりますので、まず端末をどうするのかと言うところからはじめましょう。キャリアで使っていたものを流用するのであれば、端末代は掛かりません。
MVNOを選んで、端末とSIMカードをセットで購入しても、そこまで割引されると言うこともありませんから、出来れば今まで使っていた端末をそのまま使った方が金額的にはお得です。
端末もセットで購入する場合、一括で払うか、分割で払うかになりますが、分割で払った場合には、大体24か月払いになります。
端末の価格次第ですが、月1,000円強と言ったところでしょうか。
これに加えて、SIMカードの料金が必要になります。
細かく見ると膨大になりますが、キャリアからの乗り換えで通話を必要だと仮定して、データ容量が3GBだとすると月額1,600円前後と言ったところです。
これだけだと、通常の通話料金がかかりますから、5分以内かけ放題などの通話オプションを付けたとして、高くても800円前後になります。
とても大雑把な計算になりますが、全て合わせて月額3400円程度になります。
端末を持っていれば2,400円程ですね。今回は音声通話SIMの料金を高めにしているため、安いところを探せば、もう少し安くなるでしょうし、通話オプションも同様の事がいえます。
この状態で、オプションに沿った音声通話と3GBのデータ通信を行うことが出来ます。
仮にデータ容量を5GBに増やしたら、料金は400円ほど高くなります。
大雑把な計算ですから、目安程度に考えてください。実際はオプションなどを付けたり、音声通話が不要だったりとさらに金額が上下するでしょう。
料金の内訳はどうなっているのか
SIMカードにかかる月額は、基本データ通信料の値段です。3GBや5GBなど契約したデータ量内であれば、高速通信を使用するための料金と言ったところでしょうか。
それに多くの会社が月額700円加えることで、音声通話機能を付けることが出来ます。
機能を付けるだけですから、通話料は当然かかります。
その時の値段は一般的に20円/30秒で、MVNOによっては専用アプリを使うことで、10円/30秒で通話することもできるでしょう。
また、700円の代わりに月額150円加えると、SMSを利用することが出来ます。
電話番号を使って簡単なメッセージを送ることが出来るもので、1通当たり3円から30円くらいかかります。
コマーシャルなどで見かける、月額○○円の中には通話料やSMSの料金は含まれていませんから、何のオプションもなしに通話をしすぎれば、思った以上の料金を請求されることになります。
キャリアなどでついている端末保証などですが、MVNOではオプションとして加入するかどうかは個々人に委ねられていますので注意してください。
格安スマホの無駄を省いた上手な使い方
MVNOと契約する前段階になりますが、自分の携帯の利用状況を把握しておきましょう。
毎月どれくらいデータ通信を行っているのか、どういったサポートがあり、自分はどのサポートを必要としているのかなどです。
格安SIMをより安く使うためには、とにかく無駄をなくすことですから、面倒かもしれませんが、必要な機能と不要な機能の確認はしっかりしておきます。
データ使用量の調べ方ですが、Androidであれば、本体設定の接続タブのデータ使用量から、過去3か月分くらいまでは確認できます。
より正確な情報が知りたければ、各キャリアのサポートページから詳細を見ることが出来ますので、参考にしてみてください。
データ通信があって通話をどうするか
格安SIMは、データ通信が基本になっていることが多く、通話に関してはキャリアほどのサービスが提供されていないことがほとどです。そのため、音声通話を頻繁に利用すると言った使い方をしようとする場合には、注意が必要です。
格安simの通話のオプション
ドコモやauといった大手キャリアでは、家族とは電話通話料が無料であるとか、ドコモ同士であれば無料であるとか、音声通話に対して手厚くサービスがなされている傾向にあります。しかし、MVNOは、そこまで通話に対して力を入れているところは少なく、そのために格安SIMに乗り換えても、通話料が高くなり、乗り換え前とあまり変わらないということもありそうです。
そこで、様々な通話オプションをについて探してみましたので、わかりやすく説明します。
通話料は基本的には30秒で20円
格安SIMの通話料は20円/30秒というのが基準になっています。
大体どこの会社を見ても、何もしなかったときの料金はこれくらいになるでしょう。
またSIMカードにも種類があり、データ通信専用のものや、SMS機能を付けたもの、音声通話機能を付けたものといった感じです。
当然通話をするには、音声通話機能付きのものを選ぶ必要があるのですが、データ専用SIMと比べると、月額大体700円ほど高いです。
通話料に関してですが、MVNOの中には独自の電話アプリがあるところがあり、そのアプリを使うことで通話料が10円/30秒の半額になります。
また、LINEやスカイプなどの通話可能なアプリを使えば、音声通話機能を付けずともデータ専用SIMを使って、無料で相手と通話することができます。
ただし、LINEは認証するときにSMSが必要で、SMS機能を付けるには月額で150円程かかります。
電話かけ放題プランについて
MVNOだとかけ放題のプランは、1回5分以内かけ放題とか、3分以内かけ放題といった内容がほとんどになります。
比較的目にすることが多いサービスは、1回5分以内なら何回でも、かけ放題というものでしょうか。
簡単な報告や連絡といった要件を伝えるだけなら、5分間でも充分という人もいますし、不便はないかもしれません。
もしも、一回の通話時間が5分を過ぎた場合には、超過分の通話料が請求されます。
仮に10分電話をしていたら、超過した5分の料金がかかる仕組みです。
この時20円/30秒が基本ではありますが、10円/30秒になっているところも多くあります。
何分でも何回でもかけ放題というプランがNifMoにはあります。
月額は1,300円で、フリーダイヤルや3桁番号などの例外はありますが、普通に電話するだけなら問題なくかけることが出来るでしょう。
NifMoのかけ放題を使う上で気を付けてほしいのが、まず90分で切れてしまうことです。
5分かけ放題も、5分ごとにかけなおせば料金はオプション代だけで済みますが、5分ごとにかけなおすのと90分ごとにかけなおすのでは、体感すると全くの別物だと思いますので、通話が中心と考えるなら、選択肢の一つとして考えても良さそうです。
注意しなければならないことは、NifMoのかけ放題は、いわゆるIP電話になります。
インターネットを介して通話を実現するため、データ通信として行われるものです。
そのため、データ容量には気を付けるようにしてください。
1ヶ月○○分定額について
1ヶ月650円で60分定額っていうのが、BIGLOBEのオプションで、似たようなオプションをやっているところがあと何社かあります。
改めて説明することもないと思いますが、データ容量みたいなものですね。
60分までなら650円、それ以降は通常の通話料金になりなります。
ですから1ヶ月10分しか話さなくても650円です。
余談ですがデータ容量の場合、容量をオーバーしたら低速モードに切り替わりますから、正確には異なります。
仮に20円/30秒で計算した場合、650円だと月に17分話せば元は取れますから、BIGLOBEはかなり良心的だと言えます。
同じく60分定額ですが、mineoだと1,680円となるため、その差は歴然です。
ただし、mineoも損しているわけではなく、42分通話したら元が取れます。
こういうオプションは、通話をするかどうかというよりも、60分を少し超えるくらいは確実に通話するであろうという、行動の予定が立っている人の方が割に合っているのかもしれません。
オプションを付けても大手キャリアよりは安い
こういった通話オプションを付けようかと、迷うことは多いと思います。
ですが、どのオプションであったとしても、大手キャリアほど高いものではなく、BIGLOBEでデータ容量6GBに650円のオプションを付けても、月額3,000円には届きません。
ですから、迷ったらとりあえずつけてみて、いらないと分かったら翌月から外すという様子をみながらの運用を試してみても良いのかもしれません。