スマートフォンと言っても、今と昔とでは、機能が大きく異なり、格段に進化しています。
VoLTEもその1つ。
SIMフリーのスマートフォンにもVoLTEに対応したものが現れ始め、これから購入を検討しているのであれば、対応している端末を選ぶ方が良いのでしょうか。わかりやすく説明します。
目次
スマートフォンの簡単な回線の話
VoLTEの説明の前に、簡単にスマートフォンなどの回線についてお話します。
スマホを利用する際、基本的に「3G」と「LTE(4G)」回線を利用しています。
LTEと4Gは厳密には違うと言われていますが、ここではわかりやすく同じもの、もしくは4Gの中にLTEというものがあるということで話を進めます。
LTEはデータ通信を行うときに使われる回線で、LTEに繋がらない時には、代替的に3G回線に切り替わります。
LTEと3Gの違いは世代の違いで、LTE(4G)の方が世代が新しいため、通信速度が速いです。
ですが、3G回線の方がエリアが広いため、LTEと3Gを使い分けています。
データ通信でも使われる3Gですが、現在の主な役割は音声通話です。
またLTEはどこの会社でもLTEなのですが、3Gに関してはドコモ・ソフトバンクとauで規格が違います。
ドコモやソフトバンクで使われているW-CDMAは、海外ではUMTSと表記されていて、よく使われている3G規格です。
対して、auのCDMA2000は世界的にも珍しく、対応している端末が少ないです。
LTE回線でも音声通話ができるVoLTE
VoLTEとは、LTE回線でも音声通話ができるようにする技術の事です。
勘違いされることがあるのですが、3G回線ではW-CDMAとCDMA2000の2つの規格があり、別物として考えるのですが、LTEとVoLTEは別の規格ではありません。
あくまでもLTEを使う技術ですから、対応周波数を見るときには、LTEのところを見ればいいということになります。
なぜ、LTE回線で音声通話をしようとしているのかと言えば、LTEの方が通信速度が速いからです。
もっと具体的に音声通話について言及すると、音質の向上や通話時の遅延の改善になります。
また、通話の時に3G回線に切り替えると、ドコモやソフトバンクではLTE回線が遅くなってしまい、通話しながらの作業に支障が出る可能性がありました。
auだと完全に切り替わってしまう為、通話中は電話しかできず、LTEは利用できないという問題を抱えていたのですが、VoLTEにすることで同じLTE回線を使うことになり、通話中でも作業することが出来るようになります。
格安simでもVoLTEを利用可能なのか
ドコモ回線を利用しているMVNOの場合、VoLTEに対応している端末さえ使っていれば、利用することが出来ます。
こちらに関しては、あまり気を付けることもないでしょう。
気を付けてほしいのが、au回線を利用しているところと契約した時です。
au回線の場合、VoLTE対応SIMと非対応SIMというのが分けられていて、VoLTE対応SIMにVoLTE対応端末を使えば利用できます。
VoLTE対応端末に非対応のSIMカードを入れても、VoLTEは使えず、SIMカード自体認識しないことも考えられます。
ですから、VoLTE対応SIMには対応端末を、非対応SIMには非対応端末を使っていた方が安心です。
それから、もう1つ気を付けておいてほしいのが、auで使っていた端末に使用する場合のことです。
VoLTE非対応端末であれば、SIMロックを解除しなくても、非対応のSIMを使うことが出来ます(VoLTE対応SIMは使えない)。
ですが、VoLTE対応端末だと、例えau回線の格安SIMを使っていたとしても、SIMロック解除が必要になります(非対応SIMは使えない)。
各キャリアによって対応と勝手が違いますから、注意が必要です。
VoLTEに関してはMVNOに確認をしておく方が吉
VoLTEについては、結局のところ、どうしたら良いのかわからないという人もいるでしょう。
契約しようと考えているMVNOによっては、VoLTEに対応していないところもあるのが現状です。そのため、乗り換える前に、MVNOに対してVoLTEについて問い合わせてみた方が良いかもしれません。今回は、そんなVoLTEについて説明します。
端末を使い続けるか、価格はどうなのかを考える
VoLTEに対応したからと言って、既存の3Gに対応しなくなってしまったということになると問題が生じることになり兼ねません。調べたところ、3G非対応というものは今のところなさそうです。
特にSIMフリーのスマホの場合、世界中で販売している製品もあるため、世界中がVoLTEに対応しない限り、3Gへの対応がなくなるということはないと言えるでしょう。
3GもLTEも使える上に、VoLTEにも対応していると考えると、これは魅力的な話ではないでしょうか。
ただし、せっかく端末がVoLTEに対応していても、VoLTE非対応のSIMカードを使う場合には、VoLTE対応機能を使うことができずに、無駄になってしまいます。
VoLTEに対応していることが、端末の値段に反映されていることも少なくないため、より安く済ませたいのであれば、無理にVoLTE対応の端末を購入する必要はないでしょう。
そのあたりは、今後もその端末を使い続ける予定なのか、機能に対して見合った価格かなどを含めて決めるようにしてください。
au回線を利用するときには話は別
UQ mobile(UQ モバイル)や、mineoのAプランなど、au回線を使っているSIMカードを使う場合には、VoLTE対応かどうかが、明確に決められています。
VoLTE対応SIMと非対応SIMがあり、それぞれ対応なら対応した端末を、非対応なら非対応の端末を要しないと利用できない可能性が高いです。
ただau回線を利用しているMVNOでは、対応と非対応の2種類のSIMカードを用意していますから、買ってきた端末が対応だったから、非対応だったから困るということはありません。
問題はすでに使っているSIMカードを、新しい端末に入れるときになるでしょう。
また、新規契約などする場合でも、動作確認された端末を選んで買った方が間違いがなく、安心です。
不安に感じる方は、事前に対応状況について問い合わせてみるのと良いでしょう。
ドコモ回線の場合、相互性があるため、この辺りの心配は不要となります。
今後VoLTE対応が増えるだろう
3Gと比較すれば、LTEの方が通信速度が速いですし、世代も新しいものになりますから、今後はVoLTE対応のSIMカードや端末が増えていくのではないでしょうか。
そのため、今とは異なる環境に移行するであろうことを予測して、今からVoLTE対応の端末を買っておく、というのも1つの選択肢なのかもしれません。
VOLTE対応のメリット
VoLTEという言葉を耳にするけれども、何が以前と違うのかは良く分からない。普段携帯を使っていて、不便を感じていなければ、なおさらかもしれません。そこで、VoLTEにどんなメリットがあるのかについて分かりやすく説明します。
通話がより快適になる
そのための技術なのだから当然と言われてしまえばそれまでですが、通話が従来のものと比べて快適になります。
そもそもVoLTEとはLTE回線を利用して、音声通話を行う技術です。
規格ではなく、技術の話となりますので、少し昔に遡って説明します。
それまでは、3G回線を利用して音声通話を行っていましたが、3Gは1世代前のものになり、LTEに比べると通信速度が遅くなります。
そのためVoLTEで、LTE回線を使うことで音声品質が向上します。また、通話中に発生する遅延が小さくなります。
簡単に言うと、よりリアルに近い状態で通話ができるようになります。
加えて、従来のように通話の時に3G回線に切り替わると、LTEの方は能率が悪くなってしまいます。
特にauの場合、3G回線利用中、つまり通話中にLTE回線が完全に途切れていました。
VoLTEでLTE回線を使って通話が出来れば、そういった不具合も発生しません。
これは小さなことのように聞こえるかもしれませんが、音声通話の度にLTEから3Gに切り替えていたら、その分端末のバッテリーを消耗することになります。
ですが、VoLTEなら切り替えませんから、バッテリーの節約にもなるでしょう。
周波数をチェックするのが楽
スマートフォンの端末には対応周波数があり、その周波数以外は受信することが出来ません。
またLTEならLTE、3Gなら3Gで対応していないといけないのも、ネックです。
大雑把な話ですが、LTEにしか対応していない端末があった場合、音声通話(3G)を行うことが出来ません。
3Gは日本国内だけでも、規格が2つあり、その規格ごとに確認する必要がありました。
例えばドコモが利用している周波数は、LTEがband1,3,19,28などで、3Gは規格がW-CDMA(UMTS)bandがband1,6,19と言ったところです。
そのため、端末の対応周波数でLTEとW-CDMAのところを見る必要があります。
余談ですが、W-CDMAは日本表記、UMTSは国際表記というだけでそれ以外の違いはありません。
これがVoLTEだと、LTEだけを確認すればいいですから、その分楽だと言えます。
たまに勘違いされるのですが、前述通りVoLTEはLTEを使った技術で、LTEと別の規格ではありません。
ただし、現状VoLTEに対応していても3G回線を全く使わないわけではありませんから、3Gの部分も見ておく必要はあります。
今後、LTEだけを確認すればいいようになるかもしれません。
VoLTEで通話が出来るとき、出来ない時
どういうときにVoLTEで通話できるのか、どういうときに3Gでの通話になるのかというのを簡単にお話していきます。
まず前提として、自分がLTE回線内でVoLTEが使える状態の端末を使っていることにしてください。LTEのエリア外だと、圏外になるか3Gでの通話になります。
相手も同じ条件であれば、VoLTEで通話が可能です。
相手がVoLTEを使えない状態でも、自分だけはVoLTEで通話することが出来ます。
VoLTEを使って通話中、何らかの理由でLTE圏外に出てしまったときには、3G圏内であれば3G回線に切り替わり、そのまま通話をすることが出来ます。
3Gに切り替わりますから、当然VoLTEでの通話ではなくなります。
逆にLTE圏外から、LTE圏内に通話をしながらやってきても、VoLTEには切り替わらず、3G通話のままになるようです。
今後増えていくVoLTE対応機種
いまは対応しているもの、いないものと入り混じっていますが、今後対応している端末が増えて、VoLTEが主流になっていくということも充分に考えられます。
そうなったときに、困らないように、今のうちにある程度勉強しておいた方が良いかもしれません。