ウォーターサーバーを設置する目的は人それぞれです。しかし、大前提として「おいしくて安全な水が飲みたい」という思いは、きっとみなさんにあることでしょう。
そのおいしい水を飲むためのウォーターサーバーの水の味に何か違和感を覚えたら、「もしかして腐っているの?」「異物か何かがが入ってる?」と不安になってしまうのは当然です。
そこで今回は、ウォーターサーバーの口コミでまれに見かける「水の味がおかしい」という問題について考えていきたいと思います。
目次
ウォーターサーバーの水の味は違う?
河川の水などを原水とする水道水には、もともと様々な細菌や化学物質などが含まれています。そのため、塩素を入れて殺菌しなければならないことが水道法で定められています。
「水道水は塩素の味がしておいしくない」と感じる原因は、消毒した際の残留塩素によるものです。例えば、プールの水を消毒する際も同じ塩素が使われているため、誤ってプールの水を含んでしまった経験があるという方は、水道水の味やニオイが似ているというとわかりやすいと思います。
一方、ウォーターサーバーの水は、塩素を使わない加熱殺菌やオゾン殺菌・紫外線殺菌・高性能フィルター殺菌などの方法をとっているため、当然塩素の味はしません。では、ウォーターサーバーの水の味には、どのような違いがあるのでしょうか。
RO水は味に特徴がない?
RO水は、RO膜(逆浸透膜)という非常に目の細かいフィルターで、塩素はもちろん、細菌やウイルス・花粉・化学物質などほぼすべての不純物を除去しています。そのため、まさに水分子以外は何も含まない限りなくピュアな水です。
味に特徴がないと言うと聞こえが悪いですが、不純物が一切含まれていないため、衛生面や安全面において大変信頼できる水と言えます。
ただし、アクアクララやクリクラのように、一旦RO膜でろ過したあとにミネラル分を添加している水は、ミネラルの含有量によって風味が異なります。
天然水はミネラルの含有量によって味が異なります
天然水には自然のミネラル分が豊富に含まれていますが、採水地によってこのミネラルの含有量には違いがあります。そしてミネラルの中でも特にカルシウムとマグネシウムの量が天然水の味を左右します。
水には、軟水と硬水があることはみなさんご存じかと思いますが、WHO(世界保健機関)が定める基準では、水1Lあたりの硬度が120mg未満のものが軟水、120g以上のものは硬水と区分されています。
水の硬度について解説しますと、「硬度」とはカルシウムとマグネシウムの含有量を指し、この2つが多く含まれるほど硬度が高い水ということになります。
日本のウォーターサーバーの水はほとんどが軟水ですが、同じ軟水でも硬度が高ければ重さを感じ、硬度が低ければ口当たりがまろやかになります。このことが、人によって飲みやすい、飲みにくいといった違いが出てくる原因になります。
また、硬度が20~50mgくらいの水は、それ以上の水よりも料理の旨味が出やすく、コーヒーやお茶の味がまろやかになるなどの違いもあるようです。
ウォーターサーバーの水の味がおかしいと思う原因とは?
日本のウォーターサーバーのメーカーは、食品衛生法のもと水質に関してはかなり気を遣い、安全で衛生的な水を製造しています。
ですから、ボトルに充填し工場から出荷した時点で、水の味がおかしいという可能性は非常に少ないと言えます。
では、水の味に違和感を覚える原因は一体何なのでしょうか。
ウォーターサーバーの水から変な味がする例を紹介!
口コミで見られる変な味とは具体的にどのような味なのか、またどういったことが原因として考えられるのかを見ていきましょう。
ビニールの味がする場合は?
使い捨てボトルの中でも、柔らかいポリエチレン素材のウォーターバッグの場合、直射日光があたることで、ビニールの味がうつる可能性もゼロではないようです。
どのメーカーの注意書きにもあるように、サーバーやストックの水ボトルを高温になる場所や直射日光の当たる場所には置かないようにしましょう。
ゴム・プラスチック・金属などの味がする原因は?
サーバー内のタンクや配管などに使用されているプラスチックやゴムの臭い、温水を加熱するための金属棒の臭いがうつり、それを不快な味として感じる可能性があります。
しかし、メーカー側でもサーバーの製造の際には十分な検査をしているはずなので、これらの味が水にうつる可能性は非常に低いと言えます。
万が一、このような味がした場合は、サーバー自体に何らかの不具合があることが考えられるので、すぐにカスタマーセンターに相談してみましょう。
メンテナンスを怠るとカビっぽい味がする時も!
この場合考えられるのは、サーバーの衛生面が保たれておらず、文字通りカビが発生している可能性です。カビの発生場所としては、ボトルの挿し込み口やタンクの内部、もしくは水が出てくる給水口が考えられます。
メーカーが指定する定期的なメンテナンスを受けていない、セルフメンテナンス機能を作動させていない、ボトルの挿し込み口や給水口のお手入れをしていない、などが主な原因です。
薬品の味がすることも?!
回収して再利用するリターナブルボトルの場合、ボトル洗浄の際に使用した薬品が残っていることが考えられます。また、サーバーのメンテナンスでクリーニングをする際に、洗浄液が残ってしまった可能性も否定できません。
この場合、何回か水を使っているうちに洗浄液が流れ出てしまえば薬品の味は消えますが、無駄になった水は保障してもらえるかどうかメーカーに相談してみましょう
そして、薬品の味がするお水を飲んでしまった場合は体に害が起こることも考えられるので、すぐに使用を中止し、カスタマーセンターに連絡して下さい。
また、塩素のような味がするという口コミも時々あるようですが、ウォーターサーバーの水は塩素による消毒はしていないため、塩素が入ることはあり得ません。
こういったケースは、コップに水道水が残っていたり水滴がついていることが原因である場合がほとんどです。
ウォーターサーバーの味が変なのは水の種類のせい?
上記のような問題がないのに味が変と感じるとしたら、それはウォーターサーバーの水の味に慣れてないことが原因かもしれません。
先ほどもご説明したように、水は硬度が高いほど、つまりミネラル分が多いほど苦みや重みを感じ、硬度が低いほど(含有されているミネラル分が少ないほど)口当たりがまろやかに感じます。
ですから、今まで軟水を飲んでいた方が、硬度の高い水を飲んだ場合、飲みにくいといった違和感を覚えることがあります。
逆に、ほのかな甘みを感じるようなミネラルバランスの天然水を飲んでいた方が、不純物もミネラル分も一切含まれないRO水を飲んだ場合、味気なく美味しくないと感じることがあります。
このように、水自体に問題がなくても、今までとは違う種類の水を飲む事で、人によっては、「いつもと違う」「おいしくない」という風に感じてしまうことがあるのです。
おいしい水はどれ?各ウォーターサーバーの味を比較してみよう
ウォーターサーバーの水はどれもおいしいと感じる方もいれば、水の種類によって全く味が違うという方もいるでしょう。
実際に各メーカーの水を比べてみると、硬度はもちろんのこと、含まれている成分の量も随分違うことがお分かり頂けるのではないでしょうか。
一般的には、うま味のある水がお好みの場合は天然水を、味にはこだわらないので出来る限り価格を抑えたい方や、赤ちゃんがいるご家庭で不純物の少ない水を選びたいという方にはRO水がオススメです。
ただし、RO水でも、ろ過した後にミネラルを添加したものであれば水のおいしさを感じることはできますし、硬度も天然水とあまり変わらないものもあります。
ですから最終的には、お好みの採水地やミネラルバランス、それに加えてメーカーのサービスや機種の機能、価格などを総合的に考えた上でどのウォーターサーバーが自分に合っているのかを検討するのが良いでしょう。
まとめ
日本のミネラルウォーターは、衛生面・安全面には大変気を使って製造しているため、どのメーカーの水も安心して飲むことができます。
お水の硬度やミネラルバランスによって味に違いはでますが、サーバー内のメンテナンスが行き届いてなかったり、ボトルを保管する環境によって水の質が変化することで、味に違和感を感じる場合があります。
お水を安心して飲むためにも、ぜひサーバーのメンテナンスやお手入れを試してみて下さい。毎日飲むお水だからこそおいしいく味わいたいですね。
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