青汁を飲む理由は、どのようなものが思いつきますか。ダイエットや美容、健康とあると思いますが、究極的には野菜不足に行きつくのではないでしょうか。
どれをとっても、野菜をしっかりとることが大切ですよね。では、青汁を飲むことで、本当に野菜不足は解消されると思いますか。

1日に必要な野菜の量はどれくらい?

野菜不足、野菜不足と言いますが、1日に必要な野菜の量がどれくらいか、皆さんはご存知でしょうか。
厚生労働省によれば、1日当たり350gの野菜を摂るようにしたほうが良いそうです。
具体的な数字を言われても、今の自分がどれくらいとれているかというのは、わかりませんよね。

平成28年度の国民健康・栄養調査では、野菜の摂取量の平均値は約280gなのだと言います。
平均的に野菜を食べている人で、70gほど野菜が足りていないわけです。
70gといえば、玉ねぎ半玉ほどですから、意識して食べようと思うと難しい人もいるでしょう。

この数値はあくまでも、国民全体で見ていますから、年代別になるとまた話が変わってきます。
簡単に言えば、若い人ほど野菜を食べる量が少ないです。
20~40歳台だと平均値が250gにも満たないですから、ざっと100gは足りていません。

しかも、重さだけ考えればいいわけではなく、350gのうち120gは緑黄色野菜を食べたほうが良いとされています。
つまり野菜が足りないからと、レタスやキャベツを増やしても、仕方がないわけです。

野菜不足が引き起こすデメリット

野菜が足りていないことはわかったけれど、不足してどんな問題があるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
まず考えられるのが、腸内環境の悪化です。便秘もこれに含まれます。
野菜には食物繊維とビタミン類が豊富に含まれているのですが、食物繊維は腸内をきれいにしてくれる働きがあります。

ビタミンも腸の健康には必要になりますから、野菜不足の影響を受けてしまうわけです。
腸内環境が悪化すると、便秘はもちろん、栄養の吸収がうまくできずに、美容やダイエットにも悪影響を及ぼすようになります。
腸内環境とは別に、ビタミン不足になると、コラーゲンの生成や皮膚の健康維持がうまくできなくなりますから、直接的に肌にダメージが入ってしまうでしょう。

また野菜不足になると、イライラと心が不安定になります。
有名なのはカルシウム不足かもしれませんが、特にビタミンD、ビタミンC、ビタミンB郡といったものは、イライラ解消に役立ちます。
最近イライラしているなと思ったら、野菜不足が原因かもしれません。

それから、野菜が足りないと生活習慣病のリスクが高まります。
ビタミンCやβカロテンには、発がん性物質の発生を抑える働きがありますし、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどには、生活習慣病の原因とされる活性酸素の発生を抑える、抗酸化作用があるそうです。
それから、食物繊維も生活習慣病対策として、優秀です。

食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、血糖値の上昇を緩やかにして高血圧を予防したり、コレステロールの吸収を抑えてメタボリックシンドロームなどの予防になったり、腸内の発がん性物質の生成を抑制したりと、様々な効果を発揮してくれます。

青汁で野菜不足を解消できるのか

ここから、本題に入りましょう。
青汁を飲むことで、野菜不足を解消できるかですが、出来ないことはありません。
量だけで考えた場合、青汁の粉末はせいぜい3g程度ですが、重要なのは栄養素の方です。

キュウリに栄養素が少ないというのは、有名な話ではないでしょうか。
そのキュウリを350g食べたからといって、1日分の野菜を取り終えたとは言いにくいですよね。
逆に数gであっても、ほかの野菜100g分に相当する栄養素があれば、その数gで100g分だと計算してもいいでしょう。

それで、青汁1杯でどれくらいの栄養素が取れるかといえば、製品にもよりますが大体50~100g相当の野菜と同じだそうです。
ですから、平均的に野菜を食べているという人は、1日の食事に青汁を1杯追加すれば、十分な栄養素を得られると考えられます。
若者であれば、1杯飲んだだけでは、少し足りないかもしれませんね。

では、1日に何杯も飲めばいいのか、と言われたらそういうわけでもありません。
1つに、栄養が偏ってしまいます。
一日に350gの野菜を食べればいいのだから、トマトばかり食べておけばいいと言われたら、そんなことはないのは、想像できるのではないでしょうか。
様々な野菜が入った青汁もありはしますが、それもすべての野菜が全く同じ量は行っているわけではないでしょうから、栄養が偏ってしまう恐れがあります。

偏ると同時に、過剰になる可能性も否定できません。
ビタミンや食物繊維などが、体に必要な話は先ほどしましたが、これらはあればあるだけ良い、というものでもありません。
たくさん摂りすぎれば、体調不良の原因となります。

過剰摂取にならないように、計算しつくして飲む、という方法もなくはないでしょうけれど、現実的とは言えません

青汁で野菜不足を補うメリットとデメリット

最後に青汁で野菜不足を補うことの、メリットとデメリットについて、詳しく考えてみましょう。まずはメリットからです。
メリットにもいろいろありますが、青汁を飲んでいる人の多くが、簡単に野菜を補えるから飲んでいるのではないでしょうか。

普通に野菜を摂ろうと思ったら、料理をしなくてはいけません。サラダを作るにしても、切って盛り付ける手間はかかります。
ですが、青汁なら粉末を溶かして飲むだけですから、ほとんど手間がかかりません。
それから、生鮮野菜を買うよりも、圧倒的に安いです。

普通に野菜を買うとしたら、1種類で100円以上はすると思いますが、青汁だと1杯あたり100円以下、安いものだと50円よりも安い値段で飲むことができます。
つまり、続けやすいということですね。
どれだけ健康に良い食事も、続けなければ意味がないように、青汁も続けてこそ意味がありますから、継続しやすさは大きなメリットだと言えます。

それから、野菜不足だけではなくて、様々な効果も得ることができます。
例えば豊富な食物繊維は、腸内環境を整えてくれますし、腸内環境が整えばより健康的に生活できます。

そしてデメリットですが、青汁といえばその苦味や匂いは言うまでもないでしょう。
最近では飲みやすいものも出てきていますが、普通に生の野菜を齧ったほうが食べやすいというものもありますから、何も考えずに買うと痛い目を見ます。
それから、製造過程で失われてしまう栄養素があることも忘れてはいけません。

自分で生の野菜から作れば、無駄になる栄養素はむしできるくらいになるかもしれませんが、販売されているものなど、栄養を100%保持できていないでしょう。
例えば、諸説ありますが、ビタミンの中には熱に弱いものも存在します。
それなのに、加熱処理をしてしまえば、そのビタミンだけが減ってしまうわけです。

もちろん、加熱処理をしていない青汁もあるとは思いますが、粉末状にするときにロスしてしまう栄養素があることは覚えておいたほうがいいでしょう。

青汁は栄養補助を目的にしよう!

野菜不足と青汁について、話をしてきましたが、まとめるなら青汁だけに頼らないというところでしょうか。
青汁を飲んでいるから、野菜は食べなくて大丈夫、などと思わずに普段の食事から野菜を食べることを意識して、補助をするように青汁を飲むようにしてみてください。