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言葉というものは難しいもので、事実ではないのに、その言葉に踊らされてしまうという事があります。「太っている」というのもそうでしょう。太っているのだと、ダイエットをしている人の中には、太っていなさそうな人が沢山います。そもそも、太っているとはどういうことなのでしょうか。

目次

大事なのは体重?見た目?

「太っている=体重が重い」と考えている人は、少なくないと思いますが、ボディビルダーを見て、太っているという人はいないですよね。
筋肉は脂肪よりも重いですから、彼らの体重は標準をはるかに超えているはずなのに、太っていると思われないのは、やはり見た目にあるのでしょう。
しかし、見た目だと個人の判断基準が入るため、痩せているのに太っているという人もいますし、逆に太っているのに痩せているのだと思っている人もいるかと思います。

また、太っていないのに、周りがやせ形の人ばかりだと、太っていると判断されることも少なくありません。
日本人は特に女性の体形に対して、厳しい目を向けているところがあるのは否定できないでしょう。
なんとか客観的に判断しようとして見ると、二重顎になっていないかとか、二の腕を振ると袖を振ったようになっていないかとか、女性ならウエストがくびれているかと言ったところではないでしょうか。

ダイエット中にはとても気になる!BMIとは何か?

BMIとは「BODY MASS INDEX」の略称で、体格指数と呼ばれることもあります。
1835年に開発され、世界共通の指標になっています。計算式とは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で、身長は「cm」ではなく、「m」で計算しますから、気を付けてください。

体重51kg、身長157cmの人の場合、51÷1.57÷1.57=20.7となり、この20.7を元に判定基準に当てはめます。
実は計算方法は同じでも、判定基準は国ごとに異なっていて、日本だと

BMI 肥満度判定
18.5未満 低体重(やせ)
18.5以上25未満 標準体型
25以上30未満 肥満(1度)
30以上35未満 肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

このようになり、20.7は標準体型だという事になります。
WHO基準だと、標準は変わりませんが、BMI30以上で体重が太っている・肥満とされ、18.5未満でも「痩せぎみ・痩せ・痩せすぎ」などに分けられて、さらに細かくなっています。
欠点があるとすれば、筋肉が考慮されていない点です。

ぽっこりお腹のメタボにはどんな判定基準がある?

よく耳にする体型に関する基準として、メタボ健診が思い浮かぶのではないでしょうか。
そもそも、メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪症候群と呼ばれ、内臓脂肪が蓄積したことにより、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が起こる事を指します。
メタボかどうかの基準として、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上というのは聞いたことがあるかもしれませんね。

この数字は内臓脂肪の面積が、100平方センチメートル以上に相当している数字になります。
また、メタボリックシンドロームか判断するためには、このウエストの基準に加えて、血糖値や血圧、血清脂質の3項目の基準のうち、2つ以上を満たした場合に診断されています。
ですが、今後は、また基準が変更されることになるようです。

身体のプロポーションを数値化する指数

体重を減らしたい女性はたくさんいると思いますが、ただ体重を減らすだけではなく、プロポーションにも気を使いたいという人もいるのではないでしょうか。
むしろ、プロポーションが良ければ、多少重くても良いという人もいるかもしれませんね。
ただ、プロポーションを自分で判断するのは、難しいと思います。

そこで、プロポーションを数値化してくれるのが、プロポーション指数です。
トップバスト×身長×ヒップ÷アンダーバスト÷ウエスト÷ウエストで表されて、数値の平均は4.5くらいになるようです。
この数字が大きいほどスタイルが良く、小さいほどスタイルが悪いという事になります。

身長と年齢で理想値を求めることが出来て、0.8×身長(m)+○となっています。
○に入る数字は、年齢で変わり

20歳代 3.45
30歳代 3.31
40歳代 3.06
50歳代 2.73
60歳代 2.36
70歳代 1.99

です。体型にもこだわりたい人は、使ってみてください。
こういった指標を使うことで、客観的に自分の体型を見ることが出来ます。
本当に自分が太っているのかどうかを、見るときにでも使ってみてください。

日本人はダイエットに対する評価が厳しい

上記の基準で見てもらうとわかると思いますが、おそらくダイエットをしなきゃと言っている人の多くが、標準体型です。そもそも日本は肥満が少ない国で、4位に入るくらいには肥満が少ないと言われています。
それなのに、ダイエットの話題に事欠かないのは、日本人の評価が厳しいためだと言えるでしょう。

おそらくBMI24くらいの人を、平気で太っていると言ってしまうはずです。
日本人の美意識にもかかわってくるところだと思いますので、一概に日本の基準が悪いとも言えませんが、太っていないのに無理に痩せようとすることで、体を壊す可能性があります。
ですから、ダイエットをするときには健康にも気を使いたいですね。

体重は基準を自分で見つけるのが良いかも

太っているかどうかの判断は、上記の数字で標準体型以下であれば、自分で判断するしかありません。人によっては太って見えても、人によっては細いと感じることは、よくある事ですから、いっそ自分は今の体型が良いのだと、決めて維持していくのが良いでしょう。

原因はなに?人が太る理由とは

太ってしまった人なら、1度はなぜ太ってしまったのだろうかと考えるのではないでしょうか。簡単なように見えて、実は太ってしまう理由を知らない人は多いと思います。
そこで、なぜ人は太ってしまうのか、調べてみました。

カロリーそのものが問題ではない?

ダイエットをしている人なら、まず知っているし、気にしているのが、カロリーではないでしょうか。
人によっては、毎食カロリーを計算して、体系を維持しているのだという人もいるでしょう。
そもそもの話ですが、カロリーとはエネルギーの単位です。ですから、同一のものとして見てもあまり問題はありません。

大雑把な話になりますが、エネルギーが余ると飢餓に備えて、身体は余ったエネルギーを蓄えようとしますから、太るわけです。
ですから、今までは1日の消費カロリー>1日の摂取カロリーであれば、痩せると考えられてきましたし、逆だと太るとされてきました。
いまでも、無関係とは言いませんが、研究からカロリーそのものが問題ではないのだと分かって来たのです。

昔から脂肪つまり、脂質を食べると太りやすいと言われてきましたが、それは脂質が他の三大栄養素であるタンパク質や糖質よりも、カロリーが倍以上も高いからです。
しかし、現状カロリー制限という言葉よりも、糖質制限とか、炭水化物制限という言葉が増えてきました。それを見てもらっても分かると思いますが、糖質の方に問題があるといえます。

最大の原因は糖質にあり?

人は脂肪細胞と言うものを持っていて、この細胞に中性脂肪が貯えられる事で、脂肪細胞が肥大化して太ってしまいます。
なぜ糖質が原因だと言われているのは、ちゃんと分かっているので、順番に見ていきましょう。
炭水化物などの糖質を摂ると、消化酵素の力で分解されて、グルコース(ブドウ糖)になります。

グルコースは血液で全身に運ばれて、それぞれの場所でエネルギーになります。
この時に、グルコースが余ってしまった場合、まず筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられます。しかし、貯蔵量が少なく、すぐに蓄えられなくなります。

それでも余ってしまった場合、代謝を挟みグリセロールになり、このグリセロールと脂肪酸が合わさって中性脂肪になって、脂肪細胞に蓄えられるのです。

太る原因はコレ?インスリンが脂肪を作る?

血中にグルコースが増えると、血管が詰まってしまう恐れがあり、多すぎると邪魔になります。血中の糖の値を血糖値と言いますから、高くない方が良いというのは想像できるでしょう。血糖値が高くなると、インスリンが盛んに活動するようになります。

インスリンは血糖値を下げてくれますが、その下げ方がさっき説明した中性脂肪にして、蓄えるという方法です。少なくとも、血中から糖は減りますからね。
と言う事で、インスリンが太る原因と言ってもいいのですが、そのインスリンを多量に分泌させるには、糖が血中で増える必要があります。
ですから、糖質が太る原因とされるわけです。だからと言って、糖質以外なら好き放題食べて良いというわけではありません。

研究が進むとまた変化するかも

研究が進み、これが太る原因ではないか、と言った話が新たに出て来る可能性は今後もあります。そもそも、今回でカロリーが原因とされていたものが、変わったのですから、今後そんな事はないといえないでしょう。
ですから、ダイエットをするには、情報収集も必要かもしれませんね。